武田邦彦氏のデマ

2012.05.13


武田邦彦氏がまたデマを飛ばしています。
3年後に日本には人が住めなくなると言っています。

武田氏のブログより転載
http://takedanet.com/2012/04/32015331_272e.html


あと3年・・・日本に住めなくなる日 
2015年3月31日


ある読者の方が線量計を持っておられて、それを使って毎日、定点観測を続け、その結果をお送りいただいた。測定は毎日、朝は職場、夕はご自宅玄関前、夜は自宅居間就寝前 の3回の測定を標準として、その平均値を整理しておられます。場所は三重県です。

それをグラフにプロットしてご自宅付近の放射線量の変化を見ておられます。科学的に正確でデータもシッカリして、これこそ「被曝の問題を日本人一人一人で取り組み、より安全な生活を目指そう」という活動のなかですばらしいものと思います。

データの詳細は別にして、昨年の9月頃より三重県の放射線量はわずかならが上がっていて、一次方程式(y=ax+b)で書けば、今年の1月から3月までの平均がb(つまりおおよその最初の状態)が毎時0.10マイクルシーベルト、
a(変化)が0.0004((マイクロシーベルト/時)/日)です。

もちろんデータは個人が測定したもので、ある場所に限定されますし、また最小自乗法でaやbをだされていますが、それも科学的には問題はありません。

これから計算しますと、若干の内部被曝なども加味して、三重県の外部からの被曝が1年5ミリになるのは、2012年1月から3年4ヶ月後となります。つまり、2015年4月1日になると、三重県には住めなくなるという計算結果です。

・・・・・・・・・

「人を脅すようなことを言うな!」というおじさんの声が聞こえてきそうですが、脅したりだましたりしている訳ではありません。戦争で言えば、ミサイルが飛んできたとか、何時に日本列島に到着するという計算をして、その結果をそのままお伝えしているだけです。

NHKは「台風の進路、いつ頃台風が来るか」を放送しますが、それと同じです。台風より緊急性が高いかも知れませんし、台風の進路予想より確実性も高いかも知れません。

1年5ミリというと成人男子でも白血病になったら「労災」が適応される線量です。つまり、日本国は「1年5ミリの被曝を受けたら、白血病になる」と認定してきたのです。もちろん、現在の日本政府は知らない顔をするでしょうが、これは厳然とした事実なのです。また電力会社の従業員も1990年ぐらいから1年1ミリに自主規制してきているのですから、1年5ミリの場所に子供も一緒に住むわけにはいきません。

また、三重県はほぼ日本の平均的な線量率ですから、ほぼ日本に住めなくなることを意味しています。このブログでも再三、書いてきましたし、国会の委員会でも参考人で述べましたが、「福島の除染、汚染された野菜、瓦礫の運搬」を続けていると、日本には住めなくなります。

福島原発から漏れた量が80京ベクレルであること、これは日本に拡散したら日本が住めなくなる数字であることを認識し、政府、自治体、電力は本腰になって日本列島を汚染されないように全力で取り組んでください。

(平成24年4月27日)武田邦彦


武田氏の計算はしばしば、根拠不明であったり、無駄に行ったり来たりしていて、読んでもよく分かりませんが、これもそうです。「阿修羅」でひとしきり話題になっていましたが、計算がよく分からない、というコメントがたくさんありました。

阿修羅↓
http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/309.html

そのうちの1つのコメントをご紹介します。



93. 浅見真規 2012年4月29日 15:12:49

問題点

1.ネタ元が不明。

(1)測定場所が不明・・・・・せめて市町村名くらい明示すべき
(2)測定者が不明・・・・・デマでなければ実名公表すべし。最悪、デマ師かも。
(3)測定器の汚れ不明・・・・・海辺で塩分付着すれば天然塩による放射能
(4)測定値の具体的変化が不明

2.ずっと直線的に増加し続けるか極めて疑問。

******
結局、ネタ元を公表せずに、このような発表をする武田教授はデマを飛ばしていると考えざるをえない。


浅見氏も言うように、武田氏の説はデマというべきもので、今回は週刊誌も注目したようで、週刊新潮の5月17日号に以下の記事が出ました



武田氏のブログを読んで、ほとんどの人は計算の根拠が分からなかったわけですが、私もよく分からないのでスルーしていました。

しかし週刊新潮の記者が武田氏に直接取材したようで、計算のやり方が少し分かりましたので、それを以下に図示します。





武田氏のブログと週刊新潮での武田氏の発言から、以下の条件が分かります。

1.昨年の3月までは三重県の放射線量は0.04μS/hだった。
2.昨年の9月には0.09μS/hだった。
3.今年の2月(1月から3月の平均)には0.10μS/hだった。

これをプロットしたのが上の図の緑色の線です。

そして武田氏は、今年の1月から3月まで毎日0.0004μS/hずつ上昇していたと言います。
その根拠は示されていませんが、その上昇線の傾きは図の赤い線です。武田氏は、「内部被曝を考慮して」線量率を倍くらいにしているようです。

 (この赤い線を今年の1月からではなく昨年の3月のポイントから引いているのは、緑色の線との傾きの差を分かりやすくするためです)

そして武田氏は、今年の1月からその上昇が続くとして、3年後に日本には住めなくなると言っています。その予測は台風情報よりも確実なのだそうです。

しかし、短期のデータから上昇傾向をこのように長期にわたって直線で想定することには無理がありますし、自然現象の理解としても間違っています。浅見さんという方が投稿で指摘しているように、上昇傾向が同じように続くとは限らないのです。

どういう現象が起きているかは、水の波紋を考えると分かりやすいでしょう。




波紋の中心が福島で、福島で放出された放射能は、水の波紋が広がるように時間とともに世界中に広がって行きます。風で運ばれたり、トラックの車輪や人の靴の底について運ばれたりして広がって行きます。三重県はこの同心円の周辺に位置しており、そこで定点観測していると、福島事故から数カ月遅れて水面が上昇して、やがて下がって行きます。

福島での放射性物質の放出が一過性のものであるなら、波紋は通り過ぎていって、そのうち三重県の水面は下がってきます。新たな飛来がなければ、風で飛ばされたり水に流されたりして放射性物質が減って行ったり、放射線を出すことで放射能が減って(半減期)行ったりして、だんだん線量は減っていきます。

福島での放出は残念ながら一過性のものではなく、今も続いていますが、放出量は事故の当初よりも格段に減っています。

ですから、事故後1年かかって三重の放射線量は増加して来ましたが、やがて減少に転じる可能性があります。そしてグラフの緑色の線を見れば、実際に上昇が鈍化し始めていますから、やがて減少に転じる、減少にまでは行かなくても上昇が止まる・・・だろうことが分かります。



というわけで、武田氏が言う「赤い線」のようなことは起こりません。



5ミリで白血病というデマ

次に、5ミリシーベルトで白血病になるという話で、以下に武田説を再掲します。

1年5ミリというと成人男子でも白血病になったら「労災」が適応される線量です。つまり、日本国は「1年5ミリの被曝を受けたら、白血病になる」と認定してきたのです。


これもメチャクチャな理屈です。

1年5ミリというと成人男子でも白血病になったら「労災」が適応される線量です。

ということから、

つまり、日本国は「1年5ミリの被曝を受けたら、白血病になる」と認定してきたのです。


とは言えません。

私は「5ミリ浴びたら労災」という話は知りませんが、武田氏の文面を見る限り、これは、ある人が白血病になったとして、その人が発病前に職場などで1年5ミリを越える被曝をしていた場合は医学的な因果関係は問わず、自動的に労災認定するという、労災の制度の話です。

5ミリ浴びたら白血病になると日本国が認定した、などという話ではまったくありません。
それに、こちらの5ミリとは外部被曝だけでしょうから、先の計算では内部被曝を加算していたことと合致しません。

とにかく論理がメチャクチャです。


三重県では5mS/年間には達しないだろう

前の予想線図を、もう少しスケールを大きくして書いてみましょう。








この赤いラインが、武田氏が、「内部被曝を考慮して」線量の上昇率を高めにとり、線量は一直線に増加し続けると勝手に決めて、5ミリ超えたら誰でも白血病になると政府が認定しているとデタラメを言い、だから3年後には日本には誰も住めなくなる、と日本人に宣告しているラインです。


しかし実測値をそのまま直線的に延長した黄緑色のラインは、なかなか「全員白血病武田領域」には到達しません。まして、直線予測ではなく、実際に線量の漸減傾向(ヘの字に曲がっている部分)を考慮して予測すれば、福島からこれ以上の放出がなければ、三重県では何十年後になっても、年間5ミリシーベルト(1時間当たりは5000μS÷8760時間=0.57μS/h)には達しないだろうと予測されます。

武田氏の言っていることはハッキリとデマです。

週刊新潮は「ならば武田教授はどこに住む?」とからかっています。

武田氏には、こういう与太話が多すぎます。


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