原発の将来予測

2011.09.01


夏が終わりました。停電はありませんでした。電力は足りるということです。

この夏、原発はどのくらい動いていたのでしょうか。






下左の表は、全国の原発54基の状況です。

     ↓


下右の表は、左の表を、停止しているものと
稼働しているものとにより分けたものです。
点検は点検停止、緊急は緊急停止です。


    ↓
会社 所在地 万kw 状況 将来
北海 泊1 58 1989 点検
北海 泊2 58 1991 点検
北海 泊3 91 2009
東北 東通1 110 2005 点検
東北 女川1 52 1984 緊急 ×
東北 女川2 82 1995 緊急 ×
東北 女川3 82 2002 緊急 ×
東京 福島1-1 46 1971 破損 ×
東京 福島1-2 78 1974 破損 ×
東京 福島1-3 78 1976 破損 ×
東京 福島1-4 78 1978 破損 ×
東京 福島1-5 78 1978 緊急 ×
東京 福島1-6 110 1979 緊急 ×
東京 福島2-1 110 1982 緊急 ×
東京 福島2-2 110 1984 緊急 ×
東京 福島2-3 110 1985 緊急 ×
東京 福島2-4 110 1987 緊急 ×
東京 柏崎1 110 1985 点検 ×
東京 柏崎2 110 1990 点検 ×
東京 柏崎3 110 1993 点検 ×
東京 柏崎4 110 1994 点検 ×
東京 柏崎5 110 1990 ×
東京 柏崎6 136 1996 ×
東京 柏崎7 136 1997 点検 ×
中部 浜岡3 110 1987 点検 ×
中部 浜岡4 114 1993 緊急 ×
中部 浜岡5 138 2005 緊急 ×
北陸  志賀1 54 1993 点検
北陸  志賀2 135 2006 点検
関西 美浜1 34 1970 点検
関西 美浜2 50 1972
関西 美浜3 82 1976 点検
関西 高浜1 82 1974 点検
関西 高浜2 82 1975
関西 高浜3 87 1985
関西 高浜4 87 1985 点検
関西 大飯1 117 1979 緊急
関西 大飯2 117 1979
関西 大飯3 118 1991 点検
関西 大飯4 118 1993 点検
中国 島根1 46 1974 点検
中国 島根2 82 1989
四国 伊方1 56 1977 ×
四国 伊方2 56 1981 ×
四国 伊方3 89 1994 点検 ×
九州 玄海1 56 1975 ×
九州 玄海2 56 1981 点検 ×
九州 玄海3 118 1994 点検 ×
九州 玄海4 118 1997 ×
九州 川内1 89 1984 点検
九州 川内2 89 1985
原電 東海2 110 1978 緊急 ×
原電 敦賀1 35 1970 点検
原電 敦賀2 116 1997 点検
4904

会社 所在地 万kw 状況 将来
東京 福島1-1 46 1971 破損 ×
東京 福島1-2 78 1974 破損 ×
東京 福島1-3 78 1976 破損 ×
東京 福島1-4 78 1978 破損 ×
関西 美浜1 34 1970 点検
関西 美浜3 82 1976 点検
関西 高浜1 82 1974 点検
関西 高浜4 87 1985 点検
関西 大飯3 118 1991 点検
関西 大飯4 118 1993 点検
九州 玄海2 56 1981 点検 ×
九州 玄海3 118 1994 点検 ×
九州 川内1 89 1984 点検
原電 敦賀1 35 1970 点検
原電 敦賀2 116 1997 点検
四国 伊方3 89 1994 点検 ×
中国 島根1 46 1974 点検
中部 浜岡3 110 1987 点検 ×
東京 柏崎1 110 1985 点検 ×
東京 柏崎2 110 1990 点検 ×
東京 柏崎3 110 1993 点検 ×
東京 柏崎4 110 1994 点検 ×
東京 柏崎7 136 1997 点検 ×
東北 東通1 110 2005 点検
北海 泊1 58 1989 点検
北海 泊2 58 1991 点検
北陸  志賀1 54 1993 点検
北陸  志賀2 135 2006 点検
関西 大飯1 117 1979 緊急
原電 東海2 110 1978 緊急 ×
中部 浜岡4 114 1993 緊急 ×
中部 浜岡5 138 2005 緊急 ×
東京 福島1-5 78 1978 緊急 ×
東京 福島1-6 110 1979 緊急 ×
東京 福島2-1 110 1982 緊急 ×
東京 福島2-2 110 1984 緊急 ×
東京 福島2-3 110 1985 緊急 ×
東京 福島2-4 110 1987 緊急 ×
東北 女川1 52 1984 緊急 ×
東北 女川2 82 1995 緊急 ×
東北 女川3 82 2002 緊急 ×
関西 美浜2 50 1972
関西 高浜2 82 1975
関西 高浜3 87 1985
関西 大飯2 117 1979
九州 玄海1 56 1975 ×
九州 玄海4 118 1997 ×
九州 川内2 89 1985
四国 伊方1 56 1977 ×
四国 伊方2 56 1981 ×
中国 島根2 82 1989
東京 柏崎5 110 1990 ×
東京 柏崎6 136 1996 ×
北海 泊3 91 2009
1130
7%



全国に54基の原発があり(あった) 出力合計は4904万kwです。

そのうち現在稼働しているのは右の表の下段の13基で、出力合計は1130万kwです。
年間にすると、1130万kw x 8760時間 x 年間稼働率70%として = 692億kwhです。
2009年の電力需要が9565億kwhでしたから、692÷9565で需要の7%になります。

つまり、原発が7%で、夏を乗り切ることができました。



新政権は原発を再稼働する方針


野田新総理は、点検を終えた原発は、安全性を確認した上で再稼働すると言っています。

しかし、すべての原発は震度6程度の地震で、あちこちの配管がはずれたりします。もともとそういう設計です。ですから福島の事故を目の当たりにしたあとで、これで安全だなどと、まっとうな神経なら言えるわけがありません。

しかしこれまでは、まっとうな神経でない人が安全性をチェックをしていました。保安院です。

彼らは原発を推進するために、全国で「やらせ」や「動員」を仕掛けてきました。電力会社の技術者から保安院に内部告発された不具合や不正を、調べるどころか、告発者の名前をその電力会社の経営陣に通報しました。

とにかく原発推進です。だから検査はズブズブでした。

しかし菅総理は、「保安院によらないストレステスト」を置きみやげに残しました。
このテストはガチンコになります。
そんなガチンコのテストに合格する原発など、日本にはありません。

ですから普通の感覚では、いったん点検で停止した原発は、まず再稼働できません。
必然的に、来年の夏までに原発は全部止まることになります。



しかし、安全を無視して原発を動かそうとする人々がいます。

経団連は、政府の原発コスト試算が20円を超えて、原発には経済性がないことが明らかになっても、安全性を強化すればもっとコストが上がって、もっと経済性がなくなっても、それでもとにかく再稼働しろと言っています。再稼働しないなら日本から出て行くと言っています。

自民党の石破茂政調会長は、核抑止力を持つために原発を動かせと言っています。


野田政権も、そういう人々に配慮しなければなりません。



上の表で「将来」というのは、点検が終わって再稼働できるかどうかについての、私の個人的な予測です。再稼働できるものは○、できそうもないものは×です。

ポイントは県知事の決断がどうなるか、ということです。

点検後の原発が再稼働できるかどうかは、法的にはともかく実質的には、県知事の判断で決まります。県知事がノーと言っているのに稼働を強行できる電力会社は、これまではありましたが、今後はありません。これまでは、政府や自民党や検察を使って、反対する知事を逮捕して失脚させることまでして原発を動かしてきましたが、今後はそんなことはできません。

県知事の判断を左右するのが、菅総理の置きみやげの「ストレステスト」です。
県民は、本当に安全かどうかを厳しく見ますから、なれあいの決断はできません。
それにいったん事故が起きたら、矢面で一番苦労するのが県知事であることが、今回の事故で立地県の知事は身にしみて分かったはずです。


まぁ、それでも再稼働を承認する県はあります。


私が見るところでは、再稼働を承認する知事は、北海道知事、青森県知事、福井県知事、です。
石川県知事、島根県知事、鹿児島県知事は、周囲の様子見でしょう。
再稼働に反対または抵抗するのは、宮城県知事、福島県知事、新潟県知事、愛媛県知事です。

浜岡は再稼働する状況ではありません。
佐賀県知事は「やらせ」などの不当な工作が明るみに出て発言権を失いました。知事が玄海の再稼働を強行すれば、県議会で不信任されるでしょう。

再稼働できるかどうかで、原発を分類したのが下の表です。

様子見の知事が再稼働を許可したとすると、下段の23基が稼働します
宮城、福島、新潟では再稼働しないので、東日本では原発はほぼなくなります。


会社 所在地 万kw 状況 将来
九州 玄海2 56 1981 点検 ×
九州 玄海3 118 1994 点検 ×
九州 玄海1 56 1975 ×
九州 玄海4 118 1997 ×
原電 東海2 110 1978 緊急 ×
四国 伊方3 89 1994 点検 ×
四国 伊方1 56 1977 ×
四国 伊方2 56 1981 ×
中部 浜岡3 110 1987 点検 ×
中部 浜岡4 114 1993 緊急 ×
中部 浜岡5 138 2005 緊急 ×
東京 福島1-1 46 1971 破損 ×
東京 福島1-2 78 1974 破損 ×
東京 福島1-3 78 1976 破損 ×
東京 福島1-4 78 1978 破損 ×
東京 柏崎1 110 1985 点検 ×
東京 柏崎2 110 1990 点検 ×
東京 柏崎3 110 1993 点検 ×
東京 柏崎4 110 1994 点検 ×
東京 柏崎7 136 1997 点検 ×
東京 福島1-5 78 1978 緊急 ×
東京 福島1-6 110 1979 緊急 ×
東京 福島2-1 110 1982 緊急 ×
東京 福島2-2 110 1984 緊急 ×
東京 福島2-3 110 1985 緊急 ×
東京 福島2-4 110 1987 緊急 ×
東京 柏崎5 110 1990 ×
東京 柏崎6 136 1996 ×
東北 女川1 52 1984 緊急 ×
東北 女川2 82 1995 緊急 ×
東北 女川3 82 2002 緊急 ×
関西 美浜1 34 1970 点検
関西 美浜3 82 1976 点検
関西 高浜1 82 1974 点検
関西 高浜4 87 1985 点検
関西 大飯3 118 1991 点検
関西 大飯4 118 1993 点検
関西 大飯1 117 1979 緊急
関西 美浜2 50 1972
関西 高浜2 82 1975
関西 高浜3 87 1985
関西 大飯2 117 1979
九州 川内1 89 1984 点検
九州 川内2 89 1985
原電 敦賀1 35 1970 点検
原電 敦賀2 116 1997 点検
中国 島根1 46 1974 点検
中国 島根2 82 1989
東北 東通1 110 2005 点検
北陸  志賀1 54 1993 点検
北陸  志賀2 135 2006 点検
北海 泊1 58 1989 点検
北海 泊2 58 1991 点検
北海 泊3 91 2009
1937
12.50%




総発電量は1937万kwになります。これは需要の12.5%に相当します。


その後、長期的にはどうなっていくでしょうか。

まず、原発の新設はありません。野田政権も新設はしないと言っています。

また、安全性を考えるなら、最低でも老朽化した原子炉は停止して廃炉にすべきです。
老朽化とは、長く見ても40年ということです。


原発にはなぜ寿命があるかというと、火力発電所などは、部品を交換しているうちに全部が新しくなります。知らない間に生まれ変わっていて、プラントの寿命は無限です。しかし原発はそれができません。主要部品である圧力容器と格納容器とが交換できないからです。圧力容器と格納容器が寿命になったら、残留放射能に気をつけながら、それから10年以上かけてその場で廃炉作業をしなければなりません。



再稼働する原発を建設年代順に並べると下の表のようになります。
40年で廃炉にすると、2020年、2030年と、右の2つのコラムのように減ってゆきます。



会社 所在地 万kw 状況 将来 2020 2030
関西 美浜1 34 1970 点検 × ×
原電 敦賀1 35 1970 点検 × ×
関西 美浜2 50 1972 × ×
関西 高浜1 82 1974 点検 × ×
中国 島根1 46 1974 点検 × ×
関西 高浜2 82 1975 × ×
関西 美浜3 82 1976 点検 × ×
関西 大飯1 117 1979 緊急 × ×
関西 大飯2 117 1979 × ×
九州 川内1 89 1984 点検 ×
関西 高浜4 87 1985 点検 ×
関西 高浜3 87 1985 ×
九州 川内2 89 1985 ×
中国 島根2 82 1989 ×
北海 泊1 58 1989 点検 ×
関西 大飯3 118 1991 点検
北海 泊2 58 1991 点検
関西 大飯4 118 1993 点検
北陸  志賀1 54 1993 点検
原電 敦賀2 116 1997 点検
東北 東通1 110 2005 点検
北陸  志賀2 135 2006 点検
北海 泊3 91 2009
合計出力 1937 1292 800
供給率 12.50% 8.30% 5.10%




2020年には稼働数は14基で出力は1292万kwとなり、需要の8.3%を供給します。
2030年には8基、800万kw、5.1% となります。


これがもっとも遅い「脱原発」のペースで、新政権はこれを標榜しています。


しかし現実には、脱原発のスピードは自然にどんどん早くなります。
なぜなら、
脱原発の方向が決まっているからです。

脱原発になるのですから、補助金がもらえるのはあと数年です。

そう思うと、あと数年、地元の市町村が補助金をもらえるというだけのために、県全体をリスクにさらすことを県民が納得しなくなります。そんな方針の知事は次の選挙で落選してしまい、脱原発派の知事が誕生します。福島の知事でさえ、原発の再稼働は許さないと方針転換しています。

また、総需要に対する貢献度が10%程度まで落ちてしまうと、政府の政策として意味がなくなります。たった10%のために大きなリスクをおかすのは不合理です。10%くらいなら、太陽や風力、小水力、地熱などの新エネルギー開発で十分代替可能です。

それに、電力会社自身が、たった10%のために原発を維持するのがばかばかしくなります。
株主は、事故があれば株券は紙くずですから、いつまでも原発を支持しないでしょう。


こういうわけで、脱原発の流れは、もはや止めることができません。



原発の定期点検スケジュール(志村建世氏のブログから)

http://news.livedoor.com/article/detail/5829097/

会社 所在地 万kw 状況 点検
九州 川内2 89 1985 点検 2011 8月
四国 伊方1 56 1977 2011 9月
関西 高浜2 82 1975 2011 11月
関西 大飯2 117 1979 2011 11月
関西 美浜2 50 1972 2011 12月
九州 玄海1 56 1975 2011 12月
九州 玄海4 118 1997 2011 12月
四国 伊方2 56 1981 2012 1月
中国 島根2 82 1989 2012 1月
関西 高浜3 87 1985 2012 3月
東京 柏崎5 110 1990 2012 3月
東京 柏崎6 136 1996 2012 4月
北海 泊3 91 2009 2012 5月

再稼働しなければ来年5月に原発の稼働はゼロになります。


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