核発電はどうなるのか

2012.12.19



嘉田新党(日本未来の党)に期待しましたが、不発に終わりました。
政治談議は得意ではありませんが、不発に終わった理由を考えてみました。

小選挙区制はダメ
20年ほど前に、新生党の小沢氏がゴリ押しして、河野自民党総裁にムリヤリ賛成させて小選挙区制にしたわけですが、当時から言われていた小選挙区制の欠点が、この3回の衆議院選挙ではっきりしました。ブレが大きすぎ、死票が多すぎて、民意が過大に投影されてしまいます。

全区を正確な人口比率で3人〜4人の選挙区(いわゆる中選挙区)にすれば、民意が的確に反映されるでしょう。

小沢氏には真の政治力がない
小沢氏はこの30年ほど、常に仕掛けては壊し、仕掛けては壊し、してきました。

民主党が政権をとった時に、彼は望んで幹事長になり、党運営を仕切ったわけですが、政調会を廃止して幹事長に権力を集中させるなど、非民主的な手法をとったため、党内や世間から嫌われました。
習近平氏が来日した時の天皇をないがしろにする発言も、ふつうの日本人には受け入れがたいものでした。「君ら、憲法読んだことあるのか、え? 書いてあるだろ、天皇の国事行為は内閣が決めるんだよ、天皇はそれに従うんだよ」と記者会見で言い放ちましたが、まったく傲岸不遜です。それに外国の客と会うかどうかは国事行為ではなく、天皇陛下ご自身の裁量のうちです。

また、原発事故のさなかに政局を仕掛けて、自民党と組んで菅内閣を不信任しようとしましたが、失敗しました。

さらに、反消費税で野田総理に政局を仕掛けて、集団で脱党しました。小沢氏はかつて突然、福祉税を言い出したこともあり、増税自体はやむを得ないと思っているはずで、その点は自公民が一致していますし、世論も増税自体は仕方ないという空気でしたから、政治課題としては、党を割るようなイッシューではなかったはずです。しかし小沢氏は、それが公約違反であることを理由に野田政権の崩壊を狙い、敗れて脱党しました。

その流れで脱党組を集めて選挙に臨んだわけですが、ほぼ全滅です。
小沢氏の脱党が、自分自身と民主党の、ここまでの大崩壊を招いたのです。


嘉田新党は脱原発に特化すべきだった
嘉田新党は脱核発電だけを主張すればよかったでしょう。子供手当など、嘉田さんが言いだしても、いかにも突然ですし、経済政策など、嘉田党首、飯田代行では、あるわけもありません。何も、国政全体を担うような議論をしなくても、とにかく脱核発電で国会に橋頭保を築くことを狙えばよかったと思いますが、しかしそれでは小沢党の意味がありませんから、始めから無理があったということでしょう。

また、嘉田さん自身に迫力がなかったことも敗因の一つです。
卒原発という表現も、嘉田さんの独自の言葉で一般には使われていませんから、やめたほうが良いでしょう。事実としても、卒業とは、合格点をとって業を終えることですが、世界的な大事故を起こした日本の核発電は落第ですから、中退または除籍です。


核発電はどうなるのか


核発電には合理性がまったくありませんから、止めるしかありません。電力は核以外の方法で作るのが、経済的であり、合理的です。核発電の発電コストが安いというのは、事故の補償をしないからであり、廃棄物処理費用を過小に評価しているからです。

しかも、実は、電力はますます余っています。節電と景気後退と人口減のためで、今後ともこの傾向が続きますから、核発電は必要ではないのです。

さらに、福島から世界中に放射能を垂れ流し、今も放射能が地下から噴きあげられている状態で、核発電所を運転し続けることは、世界の迷惑です。自国の経済だけを考えてそんなことを強行してはいけません。

しかし一方で、社民党や共産党のような「即時全廃」では、世論のマジョリティとはなりません。
マジョリティを形成しなければ、ものごとは動きません。

多額の設備投資をしたものを使わないとなると、そのことによって生じる電力会社の損失を考える必要があります。電力会社には社員もいれば出入りの業者もいれば、株式で運用している年金基金などもあります。いきなり赤字になっては多くの人々が困ります。
核燃料は何年も先まで発注済みですし、核燃料サイクルも急には止められません。

何年かけて廃炉にするか、計画的に進める必要があります。

ただし、廃炉事業自体はマイナス面ばかりではありません。雇用を生みますし、掘ってしまった墓穴を埋め戻す作業ですから、将来世代への貢献にもなります。また、世界的に廃炉が増えますから、技術と経験で先行すれば、日本経済のためにもなるでしょう。また、新エネルギーの技術がどんどん開発されれば、経済も活性化するはずです。

こういう認識を持って、しっかりと脱核発電を進めるべきです。

これまでは民主党が政権党として、その方向に行くことを国民に約束していました。
私はそのことを評価していましたが、残念ながら選挙の結果、それはご破算になりました。

これからは自民党と財界と経産省が組んで、今までのように核発電を推進しようとするでしょう。
その背景に右派の核武装願望があり、核兵器戦略がらみのアメリカの意向があることも、民主党が脱原発を唱えたことの反動として、自民党やアメリカの口から明らかになってきました。
敵はなかなか強大です。


しかし安倍夫人の昭恵さんは、「福島のようなことがあるので、日本の技術力で新エネルギーが開発できればいいですね」と選挙直後の毎日新聞のインタビューに答えています。これが真の世論なのですが、選挙では、特に小選挙区制では、シングルイッシューはなかなか反映されません。

脱核発電のための、実行力のあるマジョリティを、どうやって形成していくか。
それが課題です。
事故の修羅場をくぐって脱核発電を強固な意志として持つ、菅、枝野、細野の3氏が国会に残ったので、やはりそこが核になるのではないかと思われます。



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