原発の再稼働は・・・・できない

2011.09.14


野田総理は所信表明演説で、点検後の原発の再稼働について次のように述べました。


2011年9月14日01時47分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110913-OYT1T01004.htm




エネルギー新戦略、来夏に…野田首相が所信表明 


第178臨時国会が13日、召集され、野田首相は午後の衆参両院本会議で、就任後初の所信表明演説を行った。


首相は、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえてエネルギー政策を再構築するとし、来年夏を目標に「新しい戦略と計画」を打ち出す意向を表明した。また、2011年度第3次補正予算案を早期に編成して東日本大震災の被災者支援に全力を挙げるとし、復興財源確保のため臨時増税を行う考えを強調したが、税目や期間は「多角的に検討する」と述べるにとどめた。

エネルギーの新計画は、原子力発電の比率引き上げを柱とする現行のエネルギー基本計画を全面的に見直し、太陽光や風力など再生可能エネルギー(自然エネルギー)の普及促進を柱とする内容になるとみられる。首相は、中長期的には「原発への依存度を可能な限り引き下げる」と述べる一方、定期検査で停止した原発は、地元自治体の理解と安全性の確保を前提に再稼働を進めると明言した



新聞各紙は発言の最後をピックアップして、野田総理が原発を再稼働すると明言した、と見出しを打っていますが、それは文章の読み方が分かっていない間違いです。

むしろ野田総理は、この発言によって原発の再稼働に歯止めをかけたと思われます。


野田総理はその前段で、「中長期的には原発への依存度を可能な限り引き下げる」と述べています。それが野田政権の政策の根本です。野田総理は就任時に、原発の新設は事実上不可能だという認識を示しており、寿命が来た原発は廃炉にして今後20年で原発をなくすとも言いました。


所信表明の文意は、原発を再稼働するには「地元自治体の理解」と「安全性の確保」が必要だ、ということです。



しかし、「安全性の確保」はできません。

これまで、安全だ、安全だ、と言っていたのは全部ウソでした。

これまで、データは捏造する、事故は隠す、津波も地震も想定外、という「原発の話はウソだらけ」によって「安全性の確保」がなされてきたわけです。

しかし国民はもうだまされません。安全だと言うならキチンと証拠のデータを出しなさい、ということになります。震度はいくつまで耐えられるのか、津波は何メートルまで想定しているのか、電力会社や保安院がどう取り繕っても、どれも不合格に決まっています。

それを強引に、「安全が確保された」と野田政権が言うでしょうか?
言えば政権が危うくなります。それでもなお、それを言うには、かつての60年安保改定の岸政権のような蛮勇と決断力が必要です。

当時の岸政権にはまがりなりにも思想と信念がありましたが、原発を推進するなどどうせ利権がらみでしかありませんから、誰にもそんな信念などありません。民主党に原発推進の信念などないことは自明ですが、実は福島の事故を見た後では、自民党にも電力会社にも何が何でも原発だなどという信念(執念)などありはしません。

もし仮に、政府が「安全だ」と言ったとしても、それを地元に伝えに行くのは電力会社であり、保安院の役人です。これらの人々は、いまや日本で信用できない人の1位と2位ですから、地元民がそんな連中の説明をおいそれと受け入れることはありません。

仮に、住民の頭越しに自治体の首長が受け入れようとしても、そういう首長がどんな魂胆を持っているかは、昨今の玄海町長や佐賀県知事、古くは元敦賀市長などの言動で、国民の知るところとなっています。ですから首長の独断ではできません。

最後は地元県民の総意です。しかし、県民の総意が原発賛成になることはありません。

地元が賛成するのは金がもらえるからで、それしか理由はありませんが、市町村ならともかく、県民のレベルでは金銭的メリットはほとんどありません。逆に、事故があれば県民全部がたいへんなことになることは福島で明らかで、県のレベルでは原発は「損」なのです。

それに、あと20年以内に原発をなくすことを政府が明言しているのですから、どうせなくなるものにつきあうお人好しはどんどん少なくなるでしょう。

つまり、野田総理が「地元自治体の理解」と「安全性の確保」という2つの条件をつけた真意は、原発の再稼働はない、ということです。





川勝静岡県知事が原発再稼働の条件つり上げ

さらに静岡県知事の川勝平太氏が、原発再稼働の条件を思いっきりつり上げました。

読売新聞 9月12日(月)20時12分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110912-00000693-yom-pol


使用済み核燃料処理、再稼働の前提…静岡知事

 静岡県の川勝平太知事は12日の定例記者会見で、全基停止している中部電力浜岡原発(御前崎市)の再稼働について「(浜岡原発にある)使用済み核燃料が処理されるめどが立つまでは再起動すべきではない」と述べた。

 使用済み核燃料の処理は全国で滞っており、再稼働に向けて新たなハードルを課したことになる。

 川勝知事は従来、来年末に完了する中部電の津波対策を待って、県の有識者会議で安全性を検討する考えを示していた。だが、この日は使用済み核燃料の処理問題を取り上げ、「再稼働の条件などは全く整っていない。問題点だけははっきりしている」と語った。浜岡原発1〜5号機には現在、計6625本の使用済み核燃料が保管されている。



これは、原発の安全性を確保するためには当然のことではありますが、寅さん流に言えば、「それを言っちゃぁ、終しめぇよ」というところもあります。

福島でもどこでも、日本中のすべての原発に、使用済み核燃料が山積みされていて、それを冷却するプールに水がなくなってしまうと、核燃料は溶けてぐちゃぐちゃになって臨界して爆発します。

どけてくれと言われても、持って行くところがないから、あてどもなく、ただただ置いてあります。
六ヶ所村はもう満杯です。


地震でプールが壊れたら、修理する間もなく爆発です。
ミサイルを撃ち込まれたらひとたまりもありません。
スパイが侵入して爆薬を仕掛けられてもお終いです。

いったい何を考えてたんだ・・・・・

・・・・・自民党政府は何も考えて来なかったわけです。


川勝知事は、セシウム茶では判断を誤って不評でしたが、学者の時代は「森の日本」「山の日本」「海の日本」という道州制の構想を発表したりして、もともと反原発、自然志向の考えのようです。
民主党推薦で知事になっています。

福島事故の後、テレビ記者に浜岡をどうすると聞かれて、静岡県は電力の8割を浜岡に依存しているから止められないと答えたときには、えっ、と驚きましたが、その後、菅総理が浜岡停止を要請したときには、「大英断」だと言って歓迎していました。

その川勝知事が、原発の再稼働の条件として、使用済み核燃料をなんとかしろと言ったわけです。
思いっきりハードルを上げたということです。

何とかしろと言われても、保安院も電力会社も、何もできません。


ことは浜岡だけではすまないでしょう。全国の原発立地県の住民が、山積みの使用済み核燃料を何とかしろ、再稼働はそれからだ、と言い出すでしょう。
そうなれば、どの原発も再稼働できません。
(再稼働しなくても使用済み核燃料の問題はなくなりませんが)




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