災害の名前 1 「大震災」という呼び方は間違い

2011.03.23

16年前の1月17日、私は神戸市中央区で震度7の揺れの中にいました。
一瞬の揺れで多くのビルや家屋が倒壊し、多くの犠牲者が出ました。
その災害は「阪神淡路大震災」と名付けられました。

今回の災害をマスコミなどは「東日本大震災」とか「東北関東大震災」などと呼んでいますが、それは間違いです。なぜなら「震災」、すなわち地震による災害はほとんどなかったからです。

私たちは津波が町を押し流していく状況をテレビで見ましたが、そこには町がそのままの姿でありました。ビルや家屋の倒壊などなく、道路も橋もあって、ほとんどの町は無傷でした。

それが、その数分後にやってきた津波で押し流されたのです。
地震では失われなかった建物や命が、津波によって失われたのです。

災害の名称は、何が起きたのかを後世に分かりやすく伝えるものでなければなりません。

明治時代に三陸に大津波がありました。そのときは東北沖でゆるやかな地震が起きましたが、陸上では揺れによる被害はほとんどありませんでした。ですから、明治三陸津波とか明治三陸地震という呼称はありますが、
明治三陸震災という呼称はありません。地震による災害がほとんどなかったのですから当然です。

今回も地震はありましたが、それによる災害はほとんど起きていません。
阪神淡路大震災や関東大震災とはまったく違います。

また、津波は地震によって起きるのだから結局同じことだ、と考える人もいるでしょうが、そうではありません。地震と津波とは急激な地殻変動が原因で起こる独立した事象です。必ずしも同時に両方とも起きるわけではありません。現に、ほとんどの地震で津波は起きていません。またチリ津波は日本では地震はなく、津波だけでした。このように、地震と津波は同時に起きることもありますが、原理的には、地殻変動によって起きる別々の事象と考えるべきです。

こういうわけで、津波による災害を「震災」と呼ぶのは間違いです。
そのような命名は100年後の子孫たちをミスリードすることになります。


正しく
「平成東北津波」として後世に伝えるべきでしょう。



トップに戻る