磁気活水の実相    2007.08.26
磁気浮上

物質・材料研究機構の廣田憲之氏が、磁場の効果として、水を浮上させる実験をして、その写真を紹介している。10テスラ級の超電導磁石による実験である。

子供の頃、自転車のランプの発電機を分解して、円筒形の磁石を取り出して遊んだことがある。
割り箸を軸にして上下に並べると、極性が対抗しているときは磁石が反発して、上の磁石が重力に逆らって浮き上がった。
押さえつけても押さえつけても跳ね上がるのが、子供心に感動的だった。





水も、同じように浮かぶ。下のような実験だろうと思われる。

水を入れた容器に高圧ガスを封入する。まずは水は重力で下にたまっている。(左)
そこに重力と反対方向の磁場をかけると、水は磁化して、重力に抗して浮き上がり(中)、
重力などとバランスするところまで浮上する(右)、ということのようだ。
高圧ガスを充填するのは、中が低圧だと、水が散らばってしまうからかも知れない。
この原理を応用して、磁気による材料選別ができるそうだ。

しかし、廣田氏を初めとしてこういう実験をした人たちの中に、この水に分子レベルでどういう変化が起きているかについて興味を持つ人は、ただの一人もいない。


水の変化

このとき、水はどのように変化しているのだろうか。

まず、磁気を受ける前の通常の水は、下図のようになっている。

水分子 H2O は、上図のようにひとつひとつがミッキーマウスのような形をしている。そしてそれぞれがバラバラに激しく動いている。
いくつかの分子が集まってクラスター(ぶどうの房)構造をとっているという説も有力だ。

バルク(かたまり)としての水が外部からの磁気によって浮上するということは、バルクとしての水が磁気的な影響を受けて変化しているということだ。
そして、磁気あるいは磁力という現象が軌道電子のスピンに関わる現象であることを考えると、外部磁場の影響による変化は、ひとつひとつの水分子の軌道電子に起きていると考えられる。

以下に、その様子を概念として示す。


水分子の軌道電子に起きた変化に由来して、水分子はなんらかの磁気作用を持つようになっているはずだ。だから磁気に反応して浮かぶのである。
また、もしひとつひとつの分子がバラバラな方向を向いているとしたら、外部磁場から受ける力の方向が分子ごとにバラバラになってしまって、ひとつにそろわない。
すると、バルクとしての水が浮上するということは起こらない。
だから、上図のように、分子の向きもある程度そろうようになって、バルクとして磁気作用を受けるようになると考えられる。

これが、物質・材料研究機構の廣田憲之氏が示した、物理的事実である。

問題は、ここから先だ。


ニセ科学批判者たちの間違い

阪大の菊池氏は、
「水は磁気の影響を受けても、分子運動がナノセックくらいで激しく起こっているから、磁場を取り去れば、ナノセックのオーダーで元に戻る」 by きくち
と言った。
1年前くらいのキクログで見た記述だが、菊池氏本人も、自分がどこで何をしゃべったか覚えていない、と自分で言う無責任さだから、いちいち探してrefer する価値がない発言ではある。興味がある人は自分で探してほしい。

物理学者ではないが、同志社女子大学の左巻氏は、著書「水はなんにも知らないよ」で、

「超電導磁石を近づけると水面がへこむが、その影響はすぐに消える」
「そもそも、ネオジム程度の磁石では何も起こらない」

と言っている。
天羽優子氏は、
「磁気で水が変わるなどと言う者は、すべて詐欺師だ。
以上間違いなし。お茶の水女子大学 敬白」

と、お茶の水女子大学の名で世に宣言している。
いずれも、愚かしく、恥ずかしい発言である。

彼らは、外部磁場の影響を受けて下図の左の状態になっている水であっても、外部磁場を取り去るとすぐに元にもどって、下図右のようになる、それもナノセックのオーダーの速さで戻るのだ、なぜなら分子運動はナノセックのオーダーだからだ、と言う。


しかし、そんなことは起こらない。

通常の物理現象では、強制的な力によってもたらされた状態から元に戻るには、その強制力を取り去っただけでは、かなり時間がかかる。早く元に戻すには逆の強制力が必要であり、この場合は「消磁」という強制力が必要である。「消磁」せずに左から右へ一瞬で変わることはない。


ヒステリシス曲線

磁気浮上した水が、磁気を取り去ってから、分子レベルで元に戻るまでには、下図のように、ある程度の時間がかかる。これをヒステリシス(履歴)曲線と言う。
なぜ、「ニセ科学批判者」たちは、物理的に起こりえないことを平気でしゃべりちらすのかというと、その根底には、起きている現象を見ようとしないという、物理学徒にあるまじき怠惰で傲慢な精神に由来する思い込みがあるのだが、直接的には、彼らは「分子運動」に幻惑されているのである。

たしかに、水の中では分子運動が激しく起きている。
しかし、分子運動と磁気の影響の残留時間とは独立であり、無関係である。

強制的な外部磁場を取り去ったときに、バルクの水に起きる変化は、「ニセ科学批判者」たちが言うようなものでは全然なく、下図のような段階を経るのである。

段階 1  
ヒステリシス曲線の@

強制磁場がかかっているときは
、水分子は、分子レベルで最高
度に磁気の影響を受けていると
同時に、分子運動も、一定の方
向を向いたままでコマのように
動く、という状態になっている。
段階 2
ヒステリシス曲線のA

強制磁場を取り去ると、水分子
は本来の分子運動を再開して、
バラバラな方向に向く。すると、
バルクの水としての磁気の影響
はキャンセルされてほとんど消
える。
しかし、それは、ひとつひとつの
分子から「磁気の影響」が消え
たことを意味しない。
個々の水分子は、ある程度の
磁気の影響を保持したまま、自
由な運動をするようになる。
段階 3
ヒステリシス曲線のB

時間がたつと、水分子に残る磁
気の影響はだんだん弱くなる。
しかしそれでも完全になくなる
わけではない。

また、われわれの観測結果で
は、磁気をかけた水を、数秒間
のうちに波立たぬようにそっと
磁気測定器に運んで測定したと
ころ、バルクとして10のマイナス
6乗ガウス程度の磁気が残存し
ていた。
つまり、水分子の方向は、ナノ
セックといった短時間でバラバラ
になるわけではないようである。
段階 4
ヒステリシス曲線のC


そして、最後に元の水に戻る。

ヒステリシス曲線のAとBの部分を、遷移状態と言い、その時間を遷移時間と言う。
注 
あるいはこれは量子的に起きているかも知れない。ひとつひとつの分子については、磁気の影響があるか、ないか、のどちらかで、磁気の影響が残っている水分子の数がだんだん減っていく、という放射崩壊のような事象かも知れない。

ニセ科学批判者たちは、遷移時間はほとんどゼロだ、と言う。
水は、磁気を浴びた記憶をナノセックで忘れてしまい、元の水に戻るのだ、と安易に断定する。なぜなら分子運動が激しいからだと言う。

しかしそれは、物理学として明白に誤りである。
水分子の運動の速さと、分子内の磁気的影響の減衰時間とは、関係がない。

彼らは、何の根拠もなく、思いつきをヘラヘラと語る。
それどころか、実はそんなことを考察したことさえない。
遷移時間がナノセックだと言うために、どれほどの実験が必要か。
まったく、物理学的思考も習慣もゼロの連中である。


さて、遷移時間がどのくらいかは、純粋に理学的な研究テーマである。
それは、科学的に研究されるべきものであり、科学者の本来の仕事である。
それを磁気活水器メーカーに押しつけるのは、筋違いだ。
それでは、何のための国立大学か、何のための国立研究機関か。
仲間内でパソコンメールに熱中している場合ではなかろう。

ともあれ、ニセ科学批判者たちが、勝手に遷移時間はゼロ(ナノセック)だと決めつけて、そうではないと言うものをニセ科学と呼び、詐欺師と呼ぶことは、彼らの無知と傲慢を示している。
注)
左巻氏は、超電導磁石なら起こるが、ふつうの磁石では起こらないのだ、などと粗雑なことを平気で言っているが、まったく理学的な根拠のないタワごとである。
たしかに、水の磁気浮上のようなドラスティックなことを起こすには、10テスラくらいの磁力が必要だろう。しかし水に磁気を与えるだけなら、弱い磁石でも可能である。実際、われわれが、水に10のマイナス6乗オーダーの磁気が残っていることを観測したときも、その着磁の方法は、ふつうの市販のフェライト磁石を近づけただけである。それで変わるのだ。
また、われわれが開発した磁気活水器「マグローブ」は、ネオジム磁石によって内部磁場が0.5テスラ(5000ガウス)ほどになっている。超電導磁石の20分の1の強さである。これも非常に強い磁場で、物理的作用としては10テスラの超電導磁石と同じ範疇の磁力と言ってよい。

遷移状態

さて、われわれの磁気活水器での体験では、磁気活水器を通った水は、明らかに 磁気を浴びる前と同じ状態ではない。ヒステリシス曲線のAかBの遷移状態にあると思われる。

それを再掲しよう。

A ふつうの水 B 磁気活水

磁気活水はBのような遷移状態にある。
遷移状態の水は、水の構造が分子レベルで何らかの変化をしている。

そして、そのような遷移状態にある「磁気活水」には、測定された事実として、

1.霧吹きで吹いたときにマイナスイオンがたくさん発生する(分子レベルでの電気的変化)
2.界面活性が少し高い。(分子レベルでの機械的変化)

という2つの特質がある。
これらはいずれも測定可能な物理量であり、実際に測定済みだ。

私は、5年前に初めて磁気活水を認知したときから、磁気活水器は水の構造を変化させており、磁気活水器が起こしている現象は、水の組成の変化によるものではなく、水そのものの構造変化によっている、と主張している。
4年前の天羽優子氏とのやりとりを見てみよう。

吉岡天羽 往復メール  2003年11月〜12月

吉岡
  
磁力線の中を水が通ると、水はその性質を少し変えます。これまで測定された事実としては、磁力線の中に通す前の水と比較して
     1.マイナスイオンが多くカウントされる。
     2.ペーハー値が少し上がっている。
     3.熱伝導率が少し上がっている。
     4.界面活性が少し上がっている。
1と2は、水の分子に生じる電気的な変化であろうと思われます。
3と4は水の分子の運動の活発さ、いわば機械的な変化だろうと思われます。
天羽  
高校化学と,電気化学の初歩でいいですから勉強しなおしてください。水の電気的な変化って何ですか?1も2も,水分子の電気的変化ではなく水溶液としての組成の変化を示しているものではないですか。3も4も,組成の変化で説明できるものではないですか。

では、実際の遷移時間はどのくらいだろうか。
それが1秒とか1分とかなら、あまり社会生活の役には立たない。
だからもしそうなら、そもそも磁気活水器というものは存在しないだろう。

体験的には、遷移状態は数日という長さで続くようだ。

磁気活水器の効果を観察した我々の体験では、遷移状態は、人間や動植物の生態に影響を与えるほどの時間、持続する。
たとえば、植物が根からそれを吸い上げて葉から蒸発するまでの時間とか、動物がそれを飲んでから排泄するまでの時間とか、そういう長さで、遷移状態は持続するのである。

だからたとえば、家に磁気活水器を取り付けて、その水で暮らすようになると、3ヶ月ほどして体液が全部入れ替わった頃には、体液や血液が全部Bの水になる。犬も猫も鉢植えもだ。

それでいいことが起こるか、悪いことが起こるか、それは別の問題だが、われわれの、これまでの体験では、いいことだけが起きている。

安いワインや焼酎を、ボトルごとAの水につけても何も起こらないが、Bの水につけると、味がまろやかになる。

ボトルの中の水はAの水である。ボトルの外はBの水だ。
そして、双方の水分子は両側からガラスの壁に激しく衝突し続けている。
こういう状態が数分続くと、Bの水の「パワー」がボトル内のAの水に移るのである。

たとえば、その「パワー」が磁気であったとすると分かりやすい。
ガラス越しに磁気が移ることは、いくらでもあるからだ。
あるいはそれが熱運動であったとしても、分かりやすい。
ガラス越しに熱が移ることは、いくらでもあるからだ。

おそらく「パワー」の移動は、バルクの水としてではなく、個々の分子から個々の分子へと、分子レベルでの移動であろうが、このように遷移状態としての磁気活水の存在を認めれば、ボトルの中のワインの味が変わっても、特に不思議な現象ではない。


磁気活水器には効果がある

多くの磁気活水器メーカーが、磁気によって水が変わると主張しており、それらの製品のユーザーのほとんどが、それなりに結果に満足している。
効能や価格はまちまちだが、ほかの浄水器やアルカリ水器は知らず、磁気活水器に関しては、ユーザーが消費者センターにかけこむような、そういう詐欺的な事象は、私の知る限り起きていない。
実際になんらかの効果があるからである。

エッチアールディに対する排除命令は、ホームページの表現の中の「ぬめりがとれる」「洗剤が減らせる」「臭いがとれる」などについて、そういう現象は実際に広く起こっているのだが、なぜそうなるか、その科学的根拠を示す論拠を求められて、それを提出したが、公正取引委員会がそれを評価しなかったということである。公正取引委員会内部で諮問委員の科学者たちの意見も割れたと聞いている。
取引に不正があったわけではないし、ユーザーが不満を言ったわけでもないし、薬事法は一切関係がない。
ニセ科学批判者の一部に、エッチアールディが悪徳業者であるかのように言いつのる者がいるが、そういうことではない。

先月、東京の馬喰町のある大手会社の玄関の御影石を洗った。
ビルを建てて40年、スモッグですすけて黒くなっていたものが、3時間で真っ白になった。
洗浄会社は、経験から4時間半の仕事と見積もっていたが、ホースの根元にマグローブを装着することで、洗浄作業は3時間で終わった。
洗剤も水も労力も節約でき、その洗浄会社の競争力は増したことになる。

磁気活水器を装着すれば、大なり小なりそういうことが起きる。
なぜなら、遷移状態である磁気活水は、分子レベルで変化しているからである。
あとは、効率とか価格とか耐久性とか、そういう競争である。


ニセ科学批判者たちは、それをニセ科学と言う。


彼らは「磁気で水は変わらない」と、何の根拠もなく言い張るばかりだ。
周回遅れのランナーのようなものである。



遷移時間の特定


ところで我々は、このヒステリシス(減衰)曲線を、科学的な実験によって特定しつつある。
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