国会は原子力委員長をただちに罷免せよ

2012.08.30


5月に毎日新聞がスクープした、原子力委員会の秘密会議の全貌がほぼ明らかになりました。

福島事故を受けて、原子力委員会の下部に作られた有識者による「新大綱策定会議」が新しい陣営で、今夏の大綱決定に向けて議論を進めるはずだったところ、原子力委員会の近藤駿介委員長が、策定会議を召集することなく、原子力委員や電力会社や経産省などの「原子力推進派」だけを集めて秘密会議を昨年来23回も開いて、ひそかに「原発推進」の大綱を決定しようとしていました。







政府は「脱原発」の路線を取りつつありますが、近藤原子力委員長はそれに背いて、独自の判断で原発推進を決定しようと画策し、そのために原発推進派だけを集めて非公開の秘密会議を23回も開いていたのです。

近藤氏については、立命館大学の大島教授の話としてこのサイトでもすでに触れています。

http://www.minusionwater.com/ohsima.htm



すると原子力委員長の近藤氏が、「君、そんなもんは学問じゃないよ」と言い出して、ご意見をお伺いしたいと頼まれたからわざわざやってきて、意見を述べているのに、そんなもんは学問じゃないとはどういうつもりだ、と大島先生も相当に憤慨したそうです。

最後に近藤氏が「きょうはもう時間がないから、これで勘弁してやる」と言って会合はお開きになったそうで、「時間がないから勘弁してやるって、どういうつもりでしょうかね」と言っておられました。

原子力委員会の体質というか、近藤という人の、権威をカサに着た権柄ずくの人格がよく現れているエピソードです。まぁ、こういう調子で長年にわたって原子力村を仕切ってきたのでしょう。




さすがにこのような会話は議事録には残っていませんが、議事録を読めば近藤氏がきわめて横柄に冷やかに大島教授に対応していたことが分かります。

また、昨年の4月12日の時点で近藤委員長は、福島の事故にもかかわらず「核発電を推進する」と明言していることを、このサイトでも紹介しました。


http://www.minusionwater.com/sigikaiketugi.htm




近藤氏は、「誰が何を言おうと、とにかく核発電を推進すべし」と狂信しています。それが国家のためであり、国民のためである。政府や、脱核発電派の連中の意見など聞く必要はない、議論の余地などない、そのためには会議など秘密でやればよい、結論がもめたら最後はオレが1人で決めてやる、と本気でそう思っています。

暴露された議事録で12月8日に近藤氏は「原子力委員会は、その設置法により、脱原発の検討や決定は出来ない」と言っています。しかしこれはとんでもない発言です。

たしかに設置法は原子力の利用について大きな方向を決める、となっています。それは原子力を利用しようとして制度を作ったからそうなっているのであって、原子力をやめるという選択肢が文面にないのは当然です。

しかしいま福島事故の真っただ中にあって、原子力の枠組みはがらっと変わったのです。このまま原子力を続けるのは危険だという議論が国民の間から澎湃として沸き起こっているときに、大きな政策を決定すべき原子力委員会は「設置法によって脱原発の選択肢は持っていない」「だから推進するしかない」などとと公言する原子力委員長とはいったい何なのか。

この論理の行きつく先は、もし民主党政府が脱原発を決めたら、原子力委員会は「設置法によって」協力も助言もできない、ということです。こんなバカな話はありません。近藤氏は自分の職責や国民の期待をまったく理解していません。


ある日の原子力委員会で近藤氏は次のように言っています。

http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo.pdf


第48回原子力委員会定例会議議事録
1.日 時 2010年9月7日(火)9:45〜12:10

(近藤委員長)確かに24条についてはいつも頭にあって、勧告権というのがあるわけだから、政府に対して、総理に対して勧告するということはできることになっているのですが、私どもとすれば、勧告は普段に言っていることが聴いてもらえないときに、それなら勧告となるわけで、勧告した以上は切腹するという覚悟をしてやるのかなというふうに思っているもんですから、それはなかなか使わないと。 つまり、我々の決定とか見解というのは、勧告と同じような決意を持って申し上げているんですよ。


注釈:  第24条  原子力委員会又は原子力安全委員会は、第2条各号又は第13条第1項各号に掲げる所掌事務について必要があると認めるときは、それぞれ、内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告することができる。





この発言で分かるのは、近藤氏が自分では一生懸命やっていると思い、自分は切腹覚悟でやっているんだ、という自己陶酔に陥っていることです。だから、他人の意見などどうでもいいわけです。原子力委員会内部でさえも、誰も近藤氏に逆らえないようで、鈴木委員長代理などは近藤氏の茶坊主そのものです。東大で師弟の関係だったので仕方がないのでしょう。

こういう人間を要所に置くのはきわめて危険です。
こういう人間が国を誤るのです。

近藤氏は最後は切腹すればいいと気楽に考えています。「切腹覚悟だ」などと自分から言うところが、基本的に無責任で独善的な自己陶酔型の人間であることを示しています。原子力は自分がやりたいようにやる、それで問題が起きたら自分が切腹する、事故が起きて国民がどれほどつらい目にあっても、俺が切腹するのだから文句ないだろう、どこが悪い? というまったく無責任な人間です。

だから自分のつごうのよい秘密会議を23回も開いて、ばれて追及されると「オレはあいさつしただけだ」「資料を集めただけだ」などとウソをついて平気なのです。近藤氏にとって途中のプロセスなどめんどうなだけでどうでもよく、結論は俺が決める、文句があるか、ということなのです。

関東軍と同じ

似たような狂信者として、天皇や政府の言うことを無視して満州に攻め込んで、日本中に災厄をもたらした「関東軍」があります。自分はエリートだと思い込み、視野が狭く、頭が悪いところが共通しています。


毎日新聞は8月29日の夕刊でさらに続報しています。

なんと驚いたことに近藤氏は今や、仮面をかなぐり捨てて開き直り、有識者の策定会議を実質的に廃止することを決めたというのです。









これが、昨年12月8日の議事録で「最後は委員会が引き取る」と述べている近藤氏の真意だったということです。初めから、反対派を排除して秘密会議を重ねて、自分たちのいいように大綱を決定しようとしていたのです。反対意見を聞く耳は持たないのです。

策定会議の反対派委員は次のように批判しています。






毎日新聞の「風知草」(山田孝男論説委員執筆)は、秘密会議についてスクープした直後の5月に、日本の誇る基礎物理学者の坂田昌一氏のエピソードを紹介しています。







坂田先生が言われているように、原子力はもしやるとしても、「自主、民主、公開」の原則を厳守する必要があるのです。そうでなければ人々に災いをもたらすのです。なぜなら、人類はまだ核の力を制御できないからです。やるならせめてオープンに議論を尽くせということです。

そうでなくていい、という者は核の力について無知なだけだ、と坂田先生は切り捨てます。
まったくその通りです。

近藤駿介という未熟者は、核という宇宙の力の前ではまったく無知で無力な一介の学徒に過ぎません。賢者はそれを自覚していますが、愚者はそれを自覚できずに傲慢に振舞います。

坂田先生は、「秘密の扉の中で出された結論を権威の名において国民に押しつけるようなことは断じて許すべきではない」と言っています。

その許されないことを、いま近藤氏はやっています。


近藤氏が秘密会議を自分で主宰し、世間にはウソをついてそれをごまかそうとしたことは、まぎれもない事実です。近藤氏は自主、民主、公開が求められる原子力委員長にまったくふさわしくありません。能力とか見識とかでなく、人間としてふさわしくないのです。福島事故を見ながらまだ核発電を推進しようと狂信し、そのためには平気でウソをつく近藤氏は、このまま放置すればわが国に次の災厄をもたらすでしょう。

この近藤氏が「新大綱」を決めることなど断じてあってはなりません。
国会はただちに近藤委員長を罷免すべきです。



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