政府目標 2030年代前半に核発電ゼロ

2012.08.22


古川国家戦略相は8月21日、記者会見で

「私は原発に依存しない社会を作りたい。
現実を見据えてどう原発依存度を下げていくのかを考えていくことが大事」


と語りました。




それに先立ち、すでに当日朝の毎日新聞の1面に次のような記事が掲載されていました。






また、21日夜の報道ステーション(テレビ朝日)では、民主党の前原政調会長や仙谷政調会長代行も、民主党は核発電ゼロで行かないと選挙に勝てない、ということで意見が一致しているという報道がありました。世論の高まりで、電力労連の言うことなど聞いていられないということです。

政府、民主党の大方針は「核発電ゼロ」を選択することで固まったようです。

核発電ゼロは昨年から菅前総理が言っていることで、野田総理も就任時には核発電ゼロを目指すと演説していましたが、民主党としての合意はありませんでした。

その後、各方面の意見を聴き、もちろん対話集会で国民の意見も聴いて、8万件のインターネット投稿も見て(私も投稿しました)、9月のエネルギー戦略決定に向けていよいよ政府、民主党の方針も固まったということです。

たいへんよい決断です。世論の勝利と言えます。


これで、政府、民主党は、経団連(会長 住友化学)、同友会(会長 武田薬品)、日商(会頭 東芝)という大企業3団体と真っ向から対立することになりました。「原発ほしい、早く動かせ」と言っていた地元の首長たちとも真っ向から対立することになりました。

また、原子力村の住人にとっては、「脱核発電」とは、自分の存在理由が否定されたことに他なりません。電力会社の原子力本部もなくなり、大学の原子力学科もなくなり、規制委員会も原子力委員会も必要がなくなります。規制委員会の委員長など誰でもいいという話です。

ですから、各方面からまだまだ大きな抵抗が予想されます。
国際的にも、原子力資本からの締め付けがあるでしょう。



核発電は最大でも10%だった

日本のエネルギー全体のうち、電力は4割もありません。6割のエネルギーは、自動車や船や飛行機の燃料や、金属精錬などの製造業、民生用の都市ガスなどに使われています。残る4割である電力のうち、最大時でで25%が核発電だったので、日本全体のエネルギー消費のせいぜい10%くらいが核発電だったわけです。

たったの10%ですから、それがないと日本のエネルギー安全保障はできないのだ、などという居丈高な議論はもともとおかしいのですが、逆に言うと、この10%を風力や小水力、地熱、太陽光などで代替したり、天然ガスのガスタービン発電などにすることはそれほど難しいことではありません。

実際には20年もかからないでしょう。

目標を20年も先においているのは、原子力村や自民党や財界の反発をなるべく小さくするためだと思われます。20年も先のことなら、50代、60代の人たちにはあきらめもつくでしょう。

しかし現実には核発電の再稼働は難しいので、再稼働できないままなんとかやりくりしているうちに、核発電は不要になった・・・という形で、2020年ごろには核発電はゼロになるでしょう。

それまでの間、国民全体で節電し、新エネルギーの開発に力を注ぎ、大地震や大噴火がないように祈りながら、なんとか核発電ゼロにこぎつけたいものです。

廃炉と廃棄物処理は、国策として国営で100年かけてやるしかありません。あまり前向きの仕事ではないので、若者たちにそれを目指せとは言いにくい分野ですが、世界で400基以上の核発電設備が次々に廃炉になり、1件当たり数十年かかる作業ですから、膨大な仕事量です。廃炉技術を習得していれば向こう100年は食いっぱぐれはないでしょう。


民主党政府を支持します

もし3年前に政権交代していなかったらどうなっていたでしょうか。

原子力利権とズブズブの自民党政権が、東電の撤退を許さず、国難を切り抜け得たでしょうか。日本の舵を脱核発電に向けて切ることができたでしょうか。とうていできなかったでしょう。今頃は東日本は壊滅していたでしょう。


脱核発電は政治マターです。政治が方向を定めなければなりません。政治家が決断しなければなりません。そして国民はどこかの政党にそれを託さなければなりません。あの政党はきらいだ、あの政治家はきらいだ、と言っていないで、多少のことには目をつぶってでも、脱核発電を目指す政党をサポートすべきです。

福島事故の修羅場を、国家の責任者としてなんとか切り抜けた、菅、枝野、細野の3氏は、確信をもってこの国を脱核発電に導こうとしています。支持します。
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