冨永氏の実験観察の誤り その3 2008.07.27
前回、ラマン散乱は水の構造解析の手法としては温度計ほどの役にしか立っていない、と指摘した。それは冨永氏が語る内容から明らかだった。
天羽氏自身も次のように言っている。
| http://atom11.phys.ocha.ac.jp/water/water_cluster.html 水商売ウォッチング 水のクラスター 実は、水の動的構造の研究という分野は古くからやられていて、それだけ蓄積もあり、またうるさい人も多い。したがってこの分野で実験をして論文を書いても、下手なことを書くと論文は却下(リジェクト)されてしまう。水のクラスターの話はそのいい例で、実は我々のグループでもラマン散乱(直接空間情報がとれない)の実験結果からクラスターというモデルで議論しようとした論文がリジェクトされている。どうも、クラスターの話を持ち出すには、X線や中性子や分子動力学シミュレーションといった、直接空間情報を取り出せる手法と組み合わせない限り論文は認めてもらえないのではないかという感触を持っている。 |
| 水のラマン散乱を測定したところで、水のクラスターなど議論できないとして冨永氏は論文掲載を拒否されているのである。学会から見向きもされないそんなガセネタを裁判所に持ち込む冨永という研究者は、裁判所をバカにしているものと思われる。
冨永氏と天羽氏がやった表面張力の測定についても、水そのものの表面張力の測定にはある程度の意味はあるが、油を混ぜた水の表面張力を測定した実験は、何のためにやったのか理解できない。 表面張力 水そのものの表面張力については、我々も自治体の工業試験所などに依頼して、マグを通る前の水と、通ったあとの水とを比較した。水面に金属板を平たく接触させて、それを持ち上げるときにかかる荷重をはかる、という原理の測定器だった。結果は、差は見られなかった。 我々は、磁気活水には油が混ざりやすいという事実を測定している。そして、なぜ混ざりやすいのか、それは水の界面活性が上がっているということではないかと考え、それなら表面張力が下がっているだろうと考えた。しかし、表面張力を測っても差が見られなかったので、油が混ざりやすいことのメカニズムについては別の理屈あるいは仮説を考える必要がある、と今は考えている。あるいは、界面活性と表面張力とが本当に正反対の関係にあるのかも、いささか疑問に感じている。いずれにせよ、さらに解明を進める必要がある。 ところが冨永氏と天羽氏は、表面張力を測ってみて差が見られなかったから、油が混ざりやすいという事実そのものが存在しないと言い、それを言う者はウソをついている悪徳業者だとまで言う。それは科学として粗雑にすぎるし、科学者として傲慢にすぎる。 彼らの今回の一連の実験は、相手を否定するためのもので、なんとか否定しようと言う気持ちでやっている。しかしそういう浅ましい動機を持つだけで、すでに科学に必要な公正さや冷静さ、あるいは客観性を失ってしまっている。さらに彼らの心根に、科学する者に必須の、「何かを発見しよう」と言う情熱がない。だから実験そのものが粗雑になり、間違ってしまい、組み立てる論理もねじ曲がってしまっている。 ホースが溶ける その間違いの第一歩として、まず、彼らは取水の仕方から間違ってしまった。 天羽氏はブログで次のように言っている。 http://www.cml-office.org/archive/121565454065.html |
| 実は、我々の実験でも、最初は、マグローブを通した水で表面張力が低下し、時間と共にマグローブを通過させなかった水に近付くという結果を得た。 時間変化がゆるやかだったので、分子運動過程によるのではなく、もっと遅い、例えば物質の拡散などの現象だろうと見当をつけた。そこで、マグローブに水を通す時に使ったホースを外し、水道の蛇口から直接マグローブに水を流すようにしたところ、表面張力の差が出なくなった。 表面張力は、装置を通過させるまでにどのような材料を使ったかに依存して変わり、うかつにホースを使うと、不明な揮発性の物質が溶出し、時間と共に抜けていくらしい現象を見てしまうことがあることがわかった。 |

| なんとも驚いたことに、冨永氏と天羽氏は、A図のように取水すれば、2つの水の差は、磁気活水器があるかどうかの差だけになる、と考えたのである。「磁気活水に違いなんてあるわけないじゃないか」という安易で傲慢な気持ちで実験を開始したことが分かる。 天羽氏は続ける。 |
| 追記:裁判掲示板の方の議論によると、微量な成分の分析をしている人にとっては、うかつにチューブを使わないというのは常識らしい。 |
| こんなことは誰にとっても常識である。A図を見たら小学生でも分かることだ。しかも全面協力した生活科学部の教員もこれでいいと思ったのだから、お茶の水女子大学の理学のレベルが知れるというものである。ラマン散乱にしても、何十年も基礎式が間違っていたという。 そして冨永氏と天羽氏は、取水方法をB図のように変えて、実験をやり直したわけだが、ところが、ここから天羽氏は周囲に教訓をたれるから、呆れてしまう。 |
| 巷に言われている、「磁気活水器を通した水の表面張力が変わる」という話の根拠は、実は、器具を接続するチューブ類からの不明な物質の溶出と揮発の過程を観測したことによる可能性がある。どのような配置で実験したか、接続チューブに何を使ったかまで押さえないと、活水器で表面張力が変わるかどうかを判定することはできない。我々は、ホースやチューブ類をサンプル調整の流路から除くことで、表面張力が活水器の有無に依存しないことを検証した。 磁気活水器のビリーバーであれば、表面張力が低下するという、巷で流れている話の通りの結果を得たら、それで安心して、そこから先の追求をしないのではないか。我々は懐疑的な立場であったので、変化の原因が何によるかを調べることになった。 |
転んでもタダでは起きないと言うか、盗人たけだけしいと言うか、とにかく天羽氏の厚顔さには呆れる。私たちが間違ったくらいだから、「磁気活水器のビリーバー」はもっと間違っているに違いない、教えてやろう、というわけだ。![]() ところで、ホースによる撹乱要因をキャンセルしようとすると、方法はもう一つある。 それは C図 のようにすることである。 もし、冨永氏と天羽氏が何かを発見しようとしてこの実験をやっていたら、ためしにC図のようにやってみよう、という知恵が回ったかも知れない。しかし残念ながら彼らは、何かを否定しようという、つまらない動機で実験をやっていたから、チャンスを逃してしまったのである。 実は、C図のようにつなぐと、出てくる水に差が生じるのである。同じようにホースをつないでも、磁気活水器が先についていると、そのパワーが上流側に伝わって、磁気活水器がついていない場合よりもホースを強く溶かすのである。 実は冨永氏天羽氏の最初の取水の時、それが起こっているのだ。ふつう、ホースが溶けるとは思わない。だから彼らは、うっかりあのように取水した。しかし先にマグをつけていたので、ホースが溶けたのである。 水の変化は表面張力を測るまでもなく、出てきた水の臭いとか味ですぐ分かる。冨永氏や天羽氏が、何かを発見しようとして実験していたら、出てきた水を匂ったり口に含んでみたりしたはずだ。そういう好奇心は科学者の大切な素養の一つだが、彼らにはそれがない。ないから、水商売ウォッチなんぞをして人生をムダにしていられる。 磁気活水器を使っている多くの者が、この現象を知っている。デモンストレーションなどでホースでつないで使うときは、高級なシリコン製のホースを使わないと、水が臭くなるのである。 磁気活水器の作用は電磁気的である。だから水の流速よりも早く伝わり、上流側にも伝わるということのようだ。伝搬の減衰が大きく、すぐ近くまでしか伝わらないが、このケースならホースまでは十分届く。ともかくこの現象は大いに研究する価値がある。 油を混ぜて表面張力を測る 次に彼らは水に油をまぜて、その表面張力を測ることで、まざった油の量を推定するという、不思議な実験をした。表面張力の測定をやったついでに、そこに表面張力計があるから、ということのようだが、ふつうは、まざっている油の量そのものを測るものだ。それが常道だろう。 表面張力という媒介変数を隔てて油の量を論じることも不可能ではないが、その場合は、油の量と表面張力との間の関係が明確になっていなければならない。冨永氏は次のように言っている。 |
| http://www.i-foe.org/h19wa1493/sanka2/index.html 水に何かが溶けたり混ざったりすると、表面張力が変化するので、表面張力を測定することにより、水に何かが溶けているかどうかを判断することが可能になる。 (4)水道水にサラダ油を2%分液ロートに溶かして撹拌し、30分以上静置。下層の水の表面張力 (5)マグローブを通した水にサラダ油を2%分液ロートに溶かして撹拌し、 30分以上静置。下層の水の表面張力 |
| つまり、表面張力を測定すると、何かが溶けているかどうかが分かるということだ。しかし、溶けた量が分かるとは冨永氏は言わない。量は分からないということだろう。 冨永氏は、量が分からない方法で、量を測ろうとしているのか? 冨永氏は、2つの水に油をまぜて攪拌して、その表面張力を測定したら差がなかった、だから2つの水に混ざっている油の量は同じだという。 「表面張力に差がない」=「溶けている油の量は同じ」 と言いたいようだが、これは相当に粗雑な推論である。(冨永氏と天羽氏の議論にはしばしばこのような粗雑さが見られる) たとえば、表面張力と、混ざっている油の量との関係が下図のようになっていたとしたらどうか。 |

| つまり、水に油をほんの少し、たとえば数PPMでも混ぜると、表面張力は一挙に下がってしまい、あとは飽和状態で横ばいになるとしたらどうか。こういうことは自然界ではよくあることである。 冨永氏は2%を混ぜ込んで測定したわけだが、2%という量が図の青い矢印線の「飽和状態」の部分に達しているとしたら、その前後で、混ざっている油の量が2倍、3倍変わったところで、表面張力に変化はないことになる。逆に言えば、表面張力にほとんど差が見られなくても、混ざっている油の量は2倍、3倍と違っているという可能性も出てくる。 冨永氏は、表面張力と油の量との関係を定量的に示す必要がある。 いつ測定するか 次に冨永氏は、油を混ぜて攪拌して、30分以上静置してから測定したと言う。 科学の実験をするのに「30分以上」などという杜撰な時間の数え方は、ふつうはないことだから、何か意図的なごまかしがあると思われても仕方ないだろう。たとえば時間を計っていなかったとか。 水に油を数滴たらして、攪拌すると、油は水の中に混濁する。それを静置すれば、時間が経つほど比重が小さい油は浮かび上がって水から分離して上部にたまる。水の中の油の量は減少し、最後にはほぼゼロになる。 では、2つの水の油の溶かしやすさ(混ざりやすさ)を比較するのには、いつ測ったらよいのか。いつ測るか、それは、かなり重要なポイントではないか? 油の量と時間との関係が、たとえば下図のようだったらどうか。 |

| 強制的に攪拌するから、水に混濁している油の量は、初めはどちらも同じである。時間とともに油水が分離して、水の中の油の量はしだいに減少してくる。しかしその減少スピード(分離のスピード)が2つの水で同じとは限らない。ふつうの水道水に比べてマグ水の方が分離のスピードがゆっくりだとすると、その関係は上図のようになるだろう。最後には両方とも同じで、ほぼゼロになる。 つまり、油の量をいつ測定するかで、結果の数値が違う。 我々は5分間静置してから測定し、そこに差があることを見たのである。 だから、2つの水には確かに差がある、と主張しているのである。 冨永氏は「30分以上」静置してから測定し、そこに差を見なかった。 そのことから冨永氏は、マグ水に油がよく混ざるという事実はない、と結論した。 しかし上図を見れば、冨永氏の結論が間違いであることは明白である。 混ざる油の量に差があることを言うためには、1点を測定すれば十分である。 しかし、混ざる油の量に差が「ない」と言うためには、時間経過を追わなければならない。 冨永氏はそれをしていない。 油水の分離スピードがゆっくりだということが、すなわち、油が混ざりやすいということだろう。水と油は化合するわけではなく、ただ混ざるだけである。そのとき、磁気活水の場合は水にまざる油の粒がふつうの水の場合に比べて少し細かくなっているようである。油の粒が細かくなればなるほど、油水の分離スピードはゆっくりになる。それが磁気活水で実際に起こっていることであり、だから食器の油汚れが落ちやすくなったり、中華料理屋のグリーストラップがきれいになったり、洗濯の洗剤が減らせたりするのである。 それにしても、なぜ冨永氏は「30分以上」静置したのか。 なぜ30分ではなく「30分以上」なのか。なぜ数分後に測定しなかったのか。 時間なんかどうでもいいという杜撰な実験だったのか? 差が小さくなるのを待ったのか? 磁気攪拌 天羽氏は攪拌に「マグネティックスターラー」は使わなかったと言っている。 http://www.i-foe.org/h19wa1493/bbs/tree.php?n=908 |
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| しかし天羽氏は、世界中の溶液実験で磁気攪拌をしているが結果は変わらない、ということを根拠にして、磁気は水を変えないと言い続けてきたのである。 |
| http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.html 吉岡/天羽 往復メール 2003年11月〜12月 天羽 磁場がそんなに強くない方では,どこの研究室でも使っているマグネティックスターラーでかき混ぜた溶液を使った実験は全部信用ならないということになる。もちろん,こんなことを支持する実験結果は皆無である。 |
| マグネティックスターラーごときで実験結果が変動してたまるか!と言うなら、堂々とマグネティックスターラーを使ったらよかったのではないか?それが主義主張というものではないか。 磁気で結果が変わるのではないか、と用心したのだろうが、問題の本質は別のところにある。 「磁気攪拌した実験でも実験結果が変わらないから、磁気は水を変えない」という天羽氏の理屈は、まったく倒錯しており、実際はそんなことではなく、「磁気は水を変えないはずだから、磁気攪拌しても別にいいんじゃないの」という、それだけのことなのである。そして、世界中の実験で、スターラーの駆動方法に着目して、その差を見ようとした実験はない。そこに着目した実験者は、これまでいないのである。だから差が見つかっていないのである。 我々はその実験をやろうとしている。もし差が出たら世界が驚くことになる。 |