民主党、原発ゼロを選択! 衆議院解散!

2012.07.18


今後のエネルギー政策をどうするか、国民の意見を聴くということで、政府主催の意見聴取会が開かれました。しかしそこで電力会社の関係者が選ばれて意見を述べたことに対して、おかしいという意見があいつぎ、国会でも取り上げられて野田総理は今後は電力会社は入れないと明言しました。それは当然のことです。
その一方で、電力会社が何を考えているかがわりと正直に暴露されたので、良かった面もありました。


シビリアンコントロール


なぜ電力会社が意見を言ってはいけないか。
これはシビリアンコントロールと言うことです。

国の政治は文民(政治家)が決める、軍人は文民統制に服する、というのがシビリアンコントロールです。なぜそうするのか。それは軍人は武器を持っていてクーデターを起こすこともできるので、政治家に統制されるべきだということです。戦争をするかどうかという国家の決断については、軍人は戦争の利害関係者であり、簡単に言うと戦争をしたがる人々なので、戦争をするかどうかの決断に参加させてはいけないということです。

わが国の電力政策を政治家が決めようとして、国民の意見を聴こうとするとき、電力会社が出てくることは、戦争するかどうかを決断するときに軍人が出てくるのと同じでことです。
電力会社は電力政策がどうなるか、の当事者であり利害関係者ですから、当然、自分の利益になるような意見を言うに決まっています。ですから、電力会社の意見で国家の電力政策が左右されてはならないのです。電力会社が国家の電力政策を決めるとしたら、それは手足が脳を支配するようなものです。


組織人は組織を守る

いやいや電力会社は軍人とは違う、公平で広い視野で電力政策を考えることができる、と電力会社の人は反論したいところでしょうが、皮肉なことに、この意見聴取会に参加した3人の電力関係者の意見発表によって、電力会社も結局は我田引水して、自分に得になるように考えているだけだということがばれてしまいました。

そもそも、組織とはそういうものなのです。軍人にも立派な人はいました。井上成美海軍大将などは開明的で立派な軍人だったと言われています。しかしそうであっても、結局は陸軍軍人は陸軍の、海軍軍人は海軍の利害によってしか動かないのです。

ですから、電力会社の社員だってものごとを公平に見ることはできるのだ、と言ってみても、ではたとえば、電力会社の社員が公共の場で、
会社の方針に反して脱核発電を主張したら、その人は会社でどうなるか、それは本人も会社も分かっているし、世間も百も承知です。つまり、組織のメンバーは、その組織を辞める覚悟がない限りは、その組織が許容する範囲でしか自分の意見は持てないのです。ですから、電力会社の社員がいくら核発電の重要性を唱えても、それは結局は自分の組織の利益のために言っているだけだ、ということです。

それでもまだ、いやいや、そんなことはない、電力会社は真剣に公平に考えているんだ、と反論する電力関係者もいるでしょうが、ではたとえば、電力会社ではなく、原子力機器メーカーである東芝や日立や三菱の社員が聴取会に出てきて、核発電必要論を述べたとしたらどうでしょうか。

それは自社の利益のためだと、誰でも思うでしょう。

国民から見れば、電力会社も同じです。それも分からずに、こういう会合にのこのこ出てきて意見を述べるということが、なんともナイーブで、困ったものです。


電力会社の考えは狭量で独善的

参加した電力関係者は以下の3人です。



東北電力執行役員 企画部長 岡信慎一氏  会社を代表して発言
http://www.ustream.tv/recorded/24002852
東北エネルギー懇談会専務理事 関口哲雄氏
(東北電力出身。専務理事とは常勤のトップ)
http://www.ustream.tv/recorded/24002852
東北エネルギー懇談会とは:
原子力の平和利用を通じて東北6県および新潟県における産業・経済の発展に寄与することを目的に昭和34(1959)年5月に「東北原子力懇談会」として発足し、以来、原子力と市民との「懸け橋」として半世紀以上にわたり原子力平和利用の普及啓発活動を行ってきた。
中部電力原子力部 課長 岡本道明氏   個人として発言
http://www.ustream.tv/recorded/24030483


彼らの言っていたことは、日本経済のためには電力の安定供給は必要で、そのために核発電は重要で、福島事故では1人も死んでないし、経済損失は放射能を怖がって規制しすぎたせいだし、いちど事故をやったからもっと安全になったし、再生エネルギーはどうせうまく行かないし、火力は燃料費が高いし、ホルムズ海峡が心配だし、だからどんどん核発電をやろう、というものです。

言わせていたら、100%核発電にしよう、と言い出しそうです。彼らの主張には核発電を制限すべき要素はゼロだからです。廃棄物のハの字も出て来ませんでした。

というわけで、電力会社の言いたいことは分かった、ということです。


核発電がダメな理由

私が「さらば核発電」で指摘している、核発電がダメな理由は
以下のとおりです。

1.ペイしてない
2.安全でない
3.必要がない
4.温暖化する
5.政策が破綻している
6.将来がない
7.世界中が汚染する

これらの指摘で、今回の電力会社の社員の主張はすべてとっくに論破されています。

電力会社の現役連中は、どうやら、電力会社は本当は核発電なんかやりたくないのだ、という当たり前のことを知らないようです。どうして、一発の事故であの東電でさえ国有化されてしまうような、そんな危ない橋を、民間企業が渡りたいのか。やりたいはずがないではないか。
しかし核発電を40年もやってきて、入社した時から目の前にあったわけですから、そんなことはあまり考えたことがないのでしょう。

今回の事故で明らかになったように、電力会社は事故の補償をしません。
事故があったら、政府が払う(つまり国民が払う)という構造です。

それはまともな経営ではありません。そんなバカな話があるか、と国民は怒っているのです。だから圧倒的多数が核発電はもうやめろ、と言っているのです。お前らにはできないことは、もう良く分かったよ、と言っているのです。それが、電力会社の社員には、さっぱり通じていない、ということが分かりました。

自分たちで核発電をやりたいなら、最低でも、「事故が起きたら自社で100%補償します」と国民に約束すべきです。それが社会の常識であり、まともな経営というものです。
しかしそんな約束はできません。補償は天文学的な金額ですし、仮に保険に加入できて保険料を電力料金に上乗せしたら、バカ高い電気料金になって、国民から「アホか、天然ガスでやれ」と言われてしまいます。核発電は経済行為として成立していないのです。

この3人が3人とも、そういう基本的なことが分かっていません。

いま電力会社は、核発電設備を抱えて、それを動かさないと赤字になるという経営構造になっています。脱核発電はそこがネックなのです。だから時間をかけてソフトランディングしようということです。

電力会社の3人は、核発電所を動かさないと会社が赤字になって給料も下がるし年金も減るし、もしかしたらリストラされる、という立場にあるわけで、そういう人が「国家がどうの、エネルギーがどうの」ともっともらしいことを言っても、お里が知れています。

電力会社が赤字にならないようにしてやればよいのです。たとえば核発電部門を国有化するのも一つの方法です。電力会社が赤字にならないようにしつつ、2030年までに脱核発電することは、日本の技術力なら十分に可能です。核発電を動かさなくても黒字になれば、電力会社に文句はないはずです。粛々と国家の方針に従えばよいのです。

エネルギー転換は次の10年、20年の、夢のあるチャレンジングなテーマであり、それが人を育て、技術を進化させ、経済を成長させるでしょう。わが国に豊富にある、水力、風力、太陽、地熱、潮力などの自然エネルギーをうまく電力に出来れば、エネルギー安全保障も格段に高まります。

「そんなギャンブルをして、もし自然エネルギーの開発がうまく行かなかったら、国家はどうなるんだ」とこの3人は異口同音に聴衆に脅しをかけていましたが、それこそが、軍人が政治に口をはさむような話で、「あなた方はそんなこと心配しなくていい」ということです。


「脱核発電」を掲げた政党が勝つ

国民の圧倒的多数が「脱核発電」を望んでいます。
ですから次の総選挙では「脱核発電」を主張する政党が勝つでしょう。簡単な算数です。

自動車の排ガスで、アメリカでマスキー上院議員が厳しい規制を立法しました。世界中の自動車メーカーが、そんなことは無理だと言っていた中で、ホンダはCVCCエンジンを開発してそれをクリアーして、大いに業績を伸ばしました。そのあとトヨタなどが追随して、日本の自動車は世界で最高にクリーンになりました。

安保のあとの騒然とした中で、池田首相は「所得倍増論」を唱えて、国民のだれもがそんなことは無理だと思っていましたが、数年で実現しました。

目標を定めて、策を持ち、決意を持って進めば、多くのことは成就します。
目標が定まれば、いろいろなことが一気に動き出します。

戦後の復興も、明治維新の富国強兵、殖産興業も、目標を定めて国民が一丸となって努力した結果です。目標を定めるのが政治の役割です。

今の場合は、細かい数字まで実現しなくてもいいし、20年も先のことは誰にもわからないし、20年後には今の政権はないし、まぁ気楽な話です。ともかく国民が一丸となれる目標を定めればよいのです。

民主党政府は案外、のらりくらりやりながら、8月のエネルギー戦略の策定で原発ゼロを選択することを、ひそかに狙っているのかも知れません。意見聴取会はその布石で、ほら、国民がこんなに核発電ゼロを望んでいます、と、錦の御旗を立てて、自民党、経団連、経産省、原子力村、の抵抗を封じ込めようとしているのではないか。

民主党、原発ゼロを選択! 衆議院解散!

もし民主党政府がこれをやったら、総選挙に勝てるでしょう。
なんと言っても政権党です。「みんなの党」や「小沢新党」が言うのとは迫力が違います。
細野氏をかついで、党を割ってでも強行すれば、ブームが来るでしょう。

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