数年前の法改正で公正取引委員会は非民主的な権限を手に入れた。それは、「裁判官と検察官を兼ねる」という、奇妙な審判制度である。 いまどき何故このような不合理な制度が出来てしまったのか。政治家が一部の官僚のファッショ的な考え方をチェックしそこなったのだろう。 それでも、委員長以下がその運用を常識の範囲で行っていれば、不満の声がこれほど巷に満ちることはなかっただろう。 しかし、公正取引委員会は分をわきまえなかった。 何をやっても、裁判所に提訴されて批判されるおそれがなかったからだ。まさに治外法権である。 さすがにそれでは、経済界のみならず、経済産業省も政権党も、腹をすえかねたようで、ようやく民主主義が作動して、仕組みが改正される(元に戻る)ことになった。 2010年からは、公正取引委員会の判断に不服の者は、堂々と裁判所に提訴できるという、当たり前の民主主義が復活する。 この数年間の制度が非民主的だったのだから、この間に処分を受けた企業は、さかのぼって裁判所に提訴することができるようにすべきだろう。 公正取引委員会のやり方に反対する者を、法を守らない無法者であるかのように言いつのる者がいるが、はなはだ考え違いである。ファシズムの世ではあるまいし、政府や官僚のやり方に反対することは、市民の基本的権利であり、自由である。その権利と自由とが確保されることが民主主義の基本である。 ましてその者が、当の公正取引委員会に深く関与していながら、その事実を隠して、まるで無関係の第3者のような顔をして「公取グッドジョブ」などと放言しているとしたら、その者の精神や行動は薄汚く卑劣であると言わざるを得ない。 |