松下電器の新型ヘアドライヤー 「ナノケア」
 
 2006.10.18


キクログで菊池誠氏らが、松下電器が今夏発売した新型ヘアドライヤー「ナノケア」について、さかんに議論している。相変わらず無責任でばかばかしい議論ではある。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/
マイナスイオン・ドライヤー  October 12, 2006
マイナスイオン商品のうちで唯一、多くの使用者が効果を認めるのがドライヤーです。これだけは、なんか効果があるのかもしれない。
というわけで、以下は小波さんのところでの議論のまとめ
 
調べてみると、髪の毛はプラスに帯電しやすい。特にプラスチックのブラシを使うと、例の「エボナイトとフランネル」を使った静電気実験と同様で、プラスに帯電しやすいと思われます。静電気が起きれば、髪はまとまりにくくなるでしょう。
ドライヤーがコロナ放電を使っているとすれば、プラス電荷を中和する効果があるかもしれません。髪はまとまりやすくなるかもしれない。
まあ、これでいちおう筋は通りそうです。もっとも、ドライヤーの現物を持ってるわけでもないので、本当のことはわからんですけど。
 
これが正しいとすれば、要は髪の毛がプラスに帯電しやすいから、負に帯電させる装置が役に立つという、それだけの話なのですね。ドライヤーの効果があるからといって、マイナスイオンを吸い込んだら身体にいいという話にはまったくつながらないわけです。
 
これでいいかなあ。
posted by きくち @ 12:33AM

これでいいかなぁ、などと菊池氏はとぼけているが、もちろん全然ダメである。

菊池氏は、「マイナスイオンはニセ科学、疑似科学なんて言葉じゃインパクトがないから、よくわからないけどやっぱりニセ科学と言い切りたい」などと、大阪大学の ac.jp というサイトを利用して、むちゃくちゃな主張をしてきた。市場にどんな製品があるか調べようともせず、見ようともせず、試してみようともせずにである。それどころか、マイナスイオンとは何か、についてさえまともな認識もなかったのである。

彼がしてきたことは、マイナスイオンドライヤーをコツコツと作り、コツコツと販売していた人々を、大阪大学の名で攻撃して、風評被害をあおってつぶしてしまおうとしたことに他ならない。
要は髪の毛がプラスに帯電しやすいから、負に帯電させる装置が役に立つという、それだけの話なのですね。
そう、それだけの話だ。

それだけの話で、それだけの製品を、まじめに作ってまじめに販売していたのである。このドライヤーを使えばその空気を吸い込んで病気が治る、などと誰も言っていない。それがなぜ、大阪大学の名で「マイナスイオンはニセ科学だ!」などと攻撃されなければならなかったのか?

菊池氏は具体的にモノを見ない。現場も見ない。そして、自分の考えに沿わないことは、見ずに切り捨てる。「持ってないからわからんですけど」という程度の認識で批判する。それを一生懸命研究し、作り、販売している人のことなどどうでもいい。あいつらはどうせ詐欺師だ、しょせんは金儲けだ、くらいにしか考えていない。
そして、風評被害に泣く者が不平を言うと、おう、裁判でも何でも受けて立とうじゃないか、とすごむのがKやらAやら、ニセ科学批判者たちの常道である。

よくまぁ、そんな主張を大阪大学の名でするものだ、と私は驚き呆れていた。

もし、マイナスイオンを標榜した製品に少しでも効果があったなら(菊池氏も認めているのだから、あるわけだが)、菊池氏の責任は阪大教授の職を辞すべきほど重大だと私は思う。
よく調べもせずに、民間企業を攻撃して損害を与える間違った情報を、国立大阪大学の名をもって発信し続けた行為と、その情報の間違いが明らかになっても言い逃れようとする不始末ぶりは、国立大阪大学の名誉を汚すものであり、国立大阪大学の教授職にある者のとるべき行動ではない。その責任は重大である。

もし菊池氏が辞職しないなら、逆に、阪大とはその程度のものだということである。(同じことは他の無責任なニセ科学批判者たちにも言える)

中公新書「論文捏造(ねつぞう)」村松秀著は、不正の背景に学問研究に対する真摯な姿勢の喪失があることを指摘しているが、菊池氏のこのような無責任な言動がそのまま通ってしまうところ、むしろチヤホヤされてしまうところが、阪大全体から学問に対する真摯な姿勢を奪っている。それが学問の場で自殺者まで出すような、最近の阪大のいろいろな不祥事の底流となっていると私は思う。

さて、乾燥型のマイナスイオンドライヤーが進化して、松下からナノケアという製品が出た。今朝の新聞にその記事が出ていたので紹介しよう。


(記事中、「空気中の水を集めて」というのは記者の間違いではないか?どこかに小さな水のタンクが装備されているはずだ)
ナノイーだか何だか松下が勝手に命名した名称などにつきあう必要はない。要は水滴に負電荷が乗っているのであって、それはマイナスイオンなのである。負電荷を帯びて大気中を浮遊する物質をマイナスイオンと呼ぶのである。それが定義だ。大気イオン学で昔からネガティブ・イオンと呼んでいるものである。化学種など関係ない。花粉でもダニの死骸でも壁から揮発する塗料でも、何でもいい。むろん水滴でもいい。それが負電荷を帯びて浮遊していたら、それはマイナスイオンなのである。
イオンというギリシャ語は、「漂うもの」という意味で、それを化学者たちが、溶液中で電離して漂うものに適用したわけだが、空中を漂うものをイオンと呼んで、何の不合理もない。

そして、「水滴」すなわち
水の存在が実はマイナスイオンの実用化にあたってキーになる。水のないところで、水以外の物質にわざわざ負電荷を負わせて大気中に放出しても、害になることが多い。このことはマイナスイオンについて真剣に考えている者の間では、今では常識である。


そして記事は、松下は「水滴のマイナスイオン」の消臭効果に注目して、空気清浄機を開発したと紹介している。消臭作用があることも水滴のマイナスイオンの特徴であり、マイナスイオンについて真剣に考えている者の間では広く知られた事実である。
たとえば私たちは3年ほど前に、悪臭で困っていた神戸の魚廃肉処理プラントに、マイナスイオン水生成器を設置した(下図)。魚の廃肉にはまだ有用な成分がたくさん残っているので、それを分離するプラントだ。
すると、10年来困っていた悪臭がなんと3日でおさまってきた。スプレイノズルや蛇口から出る水からマイナスイオンの水滴が生まれ、プラント中に漂って臭いを消したのである。この装置を家庭に設置すれば、トイレの悪臭も自然に軽減され、その水を霧吹きで室内に吹けば、「○ブリーズ」などという消臭剤より、ずっと安価で効果的に消臭できる。
さて、ナノケアについてもキクログでいろいろ議論しているが、その中で松下の関係者と思われるSSFSさんの次の発言が、まことにごもっともである。
26. SSFS October 13, 2006
予想通りたくさんのレスがついていますが、的外れなものが結構多いのにはがっかり。
1つはマイナスイオンドライヤーの登場から約5年、ナショナルのナノケアの発売から1年4ヶ月がたっているわけですが、その間にみなさん、あまり情報収集・分析されていなかったようですね。松下のサイトを見れば書いてあるような初歩的な事柄を、なぜここで質問するのでしょうか?
2つめはクチコミ掲示板で高く評価されていると書きましたが、そこはチェックされましたか? 現在販売台数でたぶん30万台ぐらい。1万何千円するこの分野では高額商品が飛ぶように売れているのは、「確かに効果がある」という評判が、主に女性の間で広がっているからでしょう。いまさら、「効果があるかどうか検証すべき」という段階ではないと思います。
これにて一件落着であって、あとは議論する必要もない。しかし菊池氏は
ナノイーイオンの効果  October 17, 2006  
マイナスイオンとごっちゃにすると、技術に興味のある人とモラルに興味のある人との間で決して噛み合わないので、「技術と効果」に絞って議論できる項目を別立てにします。カテゴリーも「ニセ科学」ではなく、「サイエンス」にしました。
この項目だけは、企業モラルや産学連携のモラルについては目をつぶる場にしてください。NEDOの技術と効果との関連についてもここで。
posted by きくち @ 11:04AM
などと言って、さらに議論を続けるつもりのようだ。
しかしキクログの掲示板でモノを知らぬ者同士が机上の議論をしても意味がないし、企業モラルがどうのこうのなどと言う資格が、菊池氏にあろうはずもない。

しかしそれにしても、マイナスイオンはニセ科学で、ナノイーイオンはサイエンスだ、とは呆れた話だ。ナノイーイオンと呼ぼうと何と呼ぼうと、商品名など関係ない。それが負電荷を帯びた水滴であるなら、それはマイナスイオンなのである。


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