原発とお金 3題話 その2 電力料金

2011.09.08


原発と金についての最近の3つの話題の、その2です。

政府の経営・財務調査委員会は、東電が電力料金を計算する土台になる「原価」を高めに設定していると指摘しました。

朝日新聞9月6日
http://www.asahi.com/business/update/0906/TKY201109060559.html




東電の料金、高めに原価設定か 経営・財務調査委が指摘

東京電力の資産の実態などを調べる政府の経営・財務調査委員会(委員長・下河辺和彦弁護士)の6日の会合で、同社の電気料金の原価を過去10年分調べた結果、見積額が実績を常に上回り続けている項目があったことが報告された。調査委は、電気料金を必要以上に押し上げていた可能性があるとみて詳細を調べる。

調べたのは、家庭向けの電気料金を算定する際の「総括原価方式」。人件費や燃料費、修繕費など1年間にかかると想定する原価に、必要な利益を上乗せして料金を決める方法だ。

下河辺委員長は会合後の記者会見で、「見積もったコストより実際はかかっていないものが多い。10年間分を累積すれば、(その差は)看過できないものになっている」と指摘。原価算定が妥当だったかを、さらに検証する考えを示した。


電気料金は、かかったコストに利益を上乗せして決められます。
ですから、電力会社は決して赤字になりません。

なぜそうなっているのか。


電力は国の基幹のインフラストラクチャーだから、供給が途絶えることがあってはならない。
そのためには電力会社の経営は安定していなければならない。
そのためには無用の競争を排除し、電力会社には独占権を与えよう。
そして常に一定の利益が得られるように原価+αで電気料金を定めよう。


これが日本の電力供給システムです。

電力会社の善意に全幅の信頼をおいた、崇高な社会精神です。



しかし東電は社会の善意を悪用しました。

利幅を一定とすれば、原価が高いほど、利益額が大きくなります。

原発の発電コストは、不当に安く計算されていて、それが原発推進の理由になっています。
しかし実際は原発の原価は高いので、その分、利益を大きくすることができます。

ですから東電は、火力を止めて、水力を止めて、原発を運転してきました。
東電はその原価をさらに水増しして、さらに大きな利益を得てきました。

だから原発推進なのです。

原発から直接に利益を得る人以外に、原発に賛成する人はいません。
当たり前です。必要なのは電力であって、それが原発である必要は全然ないからです。
賛成する人がいないので、電力会社も経産省も「やらせ」で賛成者を捏造してきました。


10年分を調べて、「10年間分を累積すれば看過できない」とは、調べた10年間ずっとそのような虚偽があったということです。その前はどうだったのか。調べればどんどん出てくるでしょう。

東電は社会の善意を悪用して私腹を肥やしてきました。

原発の話はウソだらけです。


東電の社員の給料は、他の一流会社に比べても、ずっと高くなっています。
年金も手厚くなっています。
東電の社員は毎晩銀座に繰り出して宴会をしていたと言われています。
あちこちに立派な保養所や寮が建っています。

それらの費用には不当に得た利益が充当されています。

莫大な余剰金はまた、政・官に流れ、原発の地元にばらまかれ、
原子力学者に流れ、マスコミに流れ、文化人に配られてきました。
東電の勝俣会長はマスコミ人を引き連れて、男ばかりで何をしに行くのか、毎年中国に出かけていて、福島の事故の時もマスコミ人を引き連れて中国にいました。

それらはすべて庶民から詐取した、不当な電気料金であり、不当な利益です。
不当に得た利益だから、惜しげもなく配れるのです。


東電がそうなら、当然、全国の電力会社も「右へならえ」です。
そして各地で莫大な利益を使って地方の経済界を仕切っています。


それだけの利益があったら、少しは原発の安全のために使ったらどうか・・・・と言っても、ないものねだりです。電力会社は原発の事故があっても、会社がつぶれないことになっていますから、原発の安全など初めから上の空です。

津波?      5メートルまで。それ以上は想定外。
地震?      震度5まで。それ以上は想定外。
全電源喪失? あるわけないよ。

事故で会社がつぶれるとしたら、こんなことは言っていられません。

こんな想定で原発の運転を許可してきた保安院の責任こそ重大なのですが、誰も責任はとりません。それどころか、経産省の3人のトップは割り増しの退職金をもらって退職してゆきました。それが日本社会のシステムです。信賞必罰の精神も制度もありません。


発送電の分離、電力の自由化が望まれるゆえんです。




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