脱核発電計画

2012.07.13


民主党の「脱原発を考える会」が、「脱原発ロードマップ」を策定して提案しました。
同会は菅前総理など民主党衆参議員72名からなる政策勉強会です。


菅直人オフィシャルサイト
http://n-kan.jp/news/

脱原発ロードマップ第一次提言を発表
2012.06.28 更新

民主党「脱原発を考える会」は、2012年6月27日、「脱原発ロードマップ第一次提言」を発表した。

「脱原発を考える会」は、菅直人(衆院議員=顧問)、江田五月(参院議員=顧問)、近藤昭一(衆院議員=代表)、平岡秀夫(衆院議員=事務局長)、岡崎トミ子(参院議員)、辻元清美(衆院議員)、福山哲郎(参院議員)を世話人とし、6月27日現在72名の民主党衆参国会議員が参加、賛同する任意団体。

専門家も交えて10回の会合を開き「脱原発ロードマップ第一次提言」をまとめた。「遅くとも2025年までの原発稼働の完全停止と、そのための省エネ2割、再生可能エネルギーの4割導入などを掲げる。一次提言の内容は以下の通り。


脱原発ロードマップ第一次提案



提案の中でロードマップは以下のようなグラフになっています。遅くとも2025年には核発電をゼロにする計画です。






このグラフで分かると言えば分かるのですが、各エネルギー源の増減が分かりにくいので、それぞれを普通にゼロベースをそろえて、小学生でもわかるように書きなしたものが下の図です。






実現可能な計画

合計の発電量は2010年の約8割になると想定しています。

黄色が核発電で、2010年に2600億kwhくらいを発電していた核発電が、福島事故で順次停止して、2012年にはほとんどゼロになりました。しかし2013年から少しずつ増加して2020年には、2010年のピークの6割、1500億kwhくらいの発電量になるという想定です。

そしてそこから、「40年で廃炉」の新ルールが一挙に作動して、2025年には核発電はすべて止まります。

その間、自然エネルギー(緑色)を少しずつ増やして3倍にし、その分、化石燃料(赤色)が少しずつ減って2011年のおよそ半分になります。


これなら実現出来るだろうし、これなら日本経済や国民生活にそれほど深刻な影響は出ないだろうという、中庸で合理的な計画です。

脱核発電には時間がかかります。ドイツも10年かけて脱核発電をします。

民主党の良心的な部分がこういう具体的な戦略で脱核発電を実現しようとしている時に、「それではダメだ、すぐに止めろ」と過激に言うことは、ひいきの引き倒しになりかねません。

このサイトで何度も書いているように、核発電所の再稼働の問題は、安全の問題でもなく、需給の問題でもなく、お金の問題です。代替燃料費を誰が払うのか、ということで、核発電は止めろ、電気はよこせ、金は出さない、では民間企業である電力会社には立つ瀬がありません。それでは倒産してしまいます。

核発電のコストは火力よりもずっと高額ですが、核燃料が装填済みの完全な設備があって、スイッチを入れれば電気ができるという状態と、今から石油燃料を買ってきて、という話とでは、出費が全然違います。実際、関電は昨年度は燃料費で大赤字です。

いま故石原裕次郎の奥さんの北原まき子さんが先頭に立って、「黒部の太陽」の再上映が全国で行われています。戦後の苦しく貧しい時に、何としても停電のない豊かな社会を作ろうと、命を賭けた人々がいます。それが関西電力です。あまり声高に「関電はケシカラン」と言って、関電ばかりを悪者にすることは、脱核発電という最終目的を勝ち取るために適切な行動ではないでしょう。

電力会社が核発電をやりたいかと言うと、特にそういう動機はありません。いろいろな仕組みで核発電が利益が出る構造になってしまっているから、やっているだけです。事故の保険とか廃棄物の処理とかをきちんとコストに算入して、自由企業として自己責任でやる仕組みにすれば、電力会社は資本の論理によって核発電から撤退します。核発電は自由企業が自己責任で出来る発電方法ではないからです。

脱核発電をわが国の国是として、国民も政府も企業も一丸となって努力すべきです。


計画は早まる

ただし、この計画はもっと前倒しになるでしょう。

まず第1に、電力需要はもっと減ります。2025年に8500億kwhと想定していますが、人口減と省エネ開発と節電努力と産業構造の転換で、もっと電力消費の少ない社会になるでしょう。

第2には、自然エネルギーの開発はもっと急速に進みます。とにかく現状は何もしていないに等しい状況ですから、10年で3倍ということはなく、5倍、6倍になります。再生可能エネルギー買取法が後押しします。有力なのは、風力、小水力、地熱、太陽光です。

第3に、核発電はこれほどは復活はできません。ストレステストの2次テストは、事故後の対応も含んでいますから、なかなか通りません。また、これまでは政府は25%から35%を核発電にするという政策で、実際に2010年は25%くらいが核発電だったのですが、復活しても10%以下の状態が続けば、世論は、たった10%のためにいつまでそんな危ないものをやっているのかとなります。

というわけで、電力消費が減り、自然エネルギーの開発が進み、脱核発電はこの計画より数年早くなると期待できます。



トップに戻る