原発がダメな理由 2 生命の秩序に敵対する

2011.04.20


燃えるとは何か

燃えるというのは炭素などが酸素と結びつく化学反応です。

化学反応とは、原子には中心に原子核があり、その外周を電子が回っているのですが、その電子のレベルの反応のことです。隣り合う原子同士が、電子を介してくっついたり離れたりする反応を化学反応といいます。

下図の左側

木は、葉から空気中の二酸化炭素を吸収し、根から土の中の水を吸収して、それらを用いてCHO(炭化水素)の構造物を作り、その中に太陽のエネルギーを閉じこめ、酸素をはき出します。それが、木という生き物の営為です。

小学校では、「植物は光のエネルギーを利用して二酸化炭素と水から炭化水素を作る」「これを光合成という」と習いますが、実は、光は利用される役割ではなく、光こそが主役であり本質です。
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その木が、雷などに打たれて火を発して、山火事が起こって燃えたとします(上図の右)。

木の中にある炭化水素は、ふたたび大気中にある酸素と結合して「燃焼」してエネルギーを放出し、二酸化炭素と水に戻ります。放出されたエネルギーは、もともと太陽のエネルギーです。

これが燃えるということです。同じ事は植物と動物の間でも起こります。



太陽の光は光合成によって「かぶ」に閉じこめられます。
ウサギがそれを食べて、大気中の酸素を吸ってピョンとはねて、二酸化炭素をはき出します。

これも燃焼のひとつの形態です。

このとき重要なことは、炭素という原子も、酸素という原子も変化していないことです。
炭素は炭素のまま、酸素は酸素のまま、くっついたり離れたりしているだけです(下図)。


炭素の原子核には、陽子(上図のオレンジの丸)が6個、中性子(緑色の丸)が6個あります。
陽子と中性子の合計(質量数と言います)は12です。

これが炭素(カーボン)の原子核で、CarbonのCを用いて、6C12と書きます。

陽子の数(原子番号といいます)が原子の種類を決めます。
陽子が7個になると窒素、8個になると酸素です。水素は陽子が1個です。


原子核は「燃焼反応」によっては変化しません。
原子核が変化しない限り、炭素は炭素のままです。

これがふつうに言う「燃焼」という現象です。燃えるということです。


核分裂

ところが核分裂は違います。核分裂では、原子核そのものがパカーンと割れます。
ただし炭素などは安定していて割れません。原子力利用ではウランという原子を2つに割ります




核燃料になるウランは陽子が92個、中性子が143個で、陽子と中性子の合計数(質量数)は235個です。ウラン235と言います。

このウランンに中性子がふらふらとぶつかって来ると、ウランはそれを吸収してウラン236になり、ぶるぶると震えたあと、パカーンと2つに分裂します。これが核分裂です。

このときウラニウムは平均して2つ以上の中性子を出します。
同時に大きなエネルギー(放射線)を出します。



物質とエネルギー

上図で、左側のウラン235と中性1個の合計の物質量と、右側の割れたウランと中性子2個の合計の物質量を比べると、右側の合計量が左側よりわずかに少なくなっています。

物質量が減った分がエネルギーとして放出されます。

これが、物質とエネルギーは同じだという、人類が100年前に発見した事実です。
これが原発や原爆の根本の原理です。物質そのものからエネルギーを取り出すのです。
アインシュタインはこれがE=mC2という式で表されることを見つけました。

ウランが割れて出てきた2つの中性子が、また近隣の2つのウラン235に吸収されてそれらを分裂させると、それぞれから2つ合計4つの中性子が放出され、それが近隣の4つのウラン235に当たるとそこから8つの中性子が飛び出し・・・というふうに分裂が次々に起きることを連鎖反応といいます。

連鎖反応が急速にあっと言う間に起きるのが原爆です。
連鎖反応がゆっくり制御されながら起きるのが原発です。
連鎖反応が始まるほどウラン235同士を寄せ集めて、実際に連鎖反応が始まることを、「臨界になる」と言います。

ウランが割れたあとは、大きさが半分くらいの原子であるヨウ素とかセシウムなどになります。
福島でヨウ素とかセシウムと言われるのはこれです。核燃料が漏出しているわけです。


発電の原理

磁石の中で磁石を回転させると電気が起きます。これが発電機です。
磁石を回転させるために、磁石に接続した羽根車(プロペラ)を回します。



上図では薪をたいてお湯を沸かし、そこから出る蒸気でプロペラを回しています。
この動力を考えついたのはイギリスのジェームス・ワットです。(ワットの蒸気機関)

この羽根車を風で回せば風力発電、ダムで水を落として回せば水力発電です。

風が吹くのは太陽が空気を暖めるからです。水は太陽の力で蒸発して雲になって山に降ります。
つまり風力も水力も、薪も石炭も、元は太陽エネルギーです。

原発ではこの薪の部分を原子力(核分裂)にして、お湯を沸かします。



なーんだ、と思われたでしょう。
原子力発電は「原子力やかん」で、お湯を湧かしているだけです。

原子力の専門家は、圧力容器だ格納容器だなどとエラそうに言っていますが、原発はこのように原理的には19世紀、せいぜい20世紀の技術です。
しかも実は、新鋭火力発電所(熱効率50%以上)よりも格段に効率が落ちる(33%)のです。

さて、この「原子力やかん」は放射線でお湯を沸かすわけですが、この放射線というものが、やすやすと遺伝子をつらぬいて遺伝子を分断します。分断された遺伝子は情報を正しく伝えることができませんから、ガンが発生したり奇形児が生まれたりします。



放射線は宇宙の混沌

宇宙では、星々で核反応が起きて放射線が発生しています。
それは宇宙線となって地球に降り注いでいます。

放射線はやすやすと遺伝子をつらぬき、遺伝子に損傷を与えます。
遺伝子が損傷した生物は子孫を正しく残すことができません。
すなわち、放射線は宇宙の混沌であり、生命の秩序に敵対しています。

地磁気は宇宙線に対する有効なバリアーとなっています。
また、地球は長い年月の間に微生物の働きで大気や水蒸気を醸成し、宇宙線を防ぐことができるようになりました。(ただし北極と南極では宇宙線が侵入して、オーロラが発生します)





そのおかげで地球は生命の楽園になりました。藻とかサンゴとかバクテリアなど、名も無き生物が地球環境を高等生物に適したものにまで変貌させてくれました。

原子力で発電することは、宇宙の混沌を生命の秩序の中に持ち込むことです。
犬も猫も牛も馬も、鳥も羊も魚も草も木も花も虫も、そんなことは望んでいません。

冷房したいとか、エスカレーターで楽をしたいとか、たったそれだけの人間の欲望を満たすために、生命の楽園を破壊することは許されません。

でも、欲望を我慢する必要はありません。
他の発電方法を採用すればよいのです。

原発はダメです。



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